マルクス・エンゲルスについてもっと詳しく知りたい人のために   

『資本論』を中心とするマルクス・エンゲルスの著作の抜粋(その8)

H、闘争・団結・未来

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H、闘争・団結・未来

 

このページの紹介

このページは、マルクス・エンゲルスについてより詳しく知っていただくために、マルクス・エンゲルスの著作の重要な部分を抜粋して「Aマルクス・エンゲルスと資本論」から「J、検討すべき課題ほか」までの10ページに分類した中の「H、闘争・団結・未来」のページで、下記の22~25のテーマが扱われています。著作の紹介の仕方は、短いフレーズのものは直接紹介し、若干の長さのあるものはPDFファイルに落とし込み、みなさんの利便性を考慮いたしました。

 

このページのテーマ

22、闘争(労働運動)の意義

23、賃金奴隷(資本主義)の改善と革命

24、政治権力をにぎるための方法(平和的または強力による)

25、社会主義・共産主義(どんな社会か)

 各テーマは、『資本論』と久留間鮫造氏編『マルクス経済学レキシコン』を中心に抜粋したものです。出典が「○-[ ]」と表示されているものは、『レキシコン』の「○」号の文書番号「[ ]」に載っていることを示しています。『レキシコン』に載っているテーマについては、何かの機会に全文をデーター化したものを除き、一部をデーター化したり、要旨を述べるにとどめています。お手数ですが、直接『レキシコン』を参照して下さい。ひととおり完成したら、全ての文章のデーター化にチャレンジしたいとおもいます。

 

22、闘争(労働運動)の意義

社会変革の主体的条件をととのえること

22-1労働者党の誇りは未来を示すこと、そして、労働者階級は革命的である
  〈マルクスからエンゲルスへの手紙1865年2月18日〉
  科学的社会主義の任務

  (エンゲルス『空想から科学へ』1880年)

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22-1 科学的社会主義の任務、労働者党の誇り.pdf
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22-2 どんな時、闘うべきか(意味のある闘い)
その闘いによって、たとえ敗北しても、人民をこぶし、歴史的な意味を持つことができるものであるかによって決まる。④-[49]P283の上4~ (クーゲルマンあてのマルクスの手紙 1871.4.17)

22-3 労働者の闘争の本当の成果=団結
④-[40]P219の下線部 (マルクス=エンゲルス『共産党宣言』岩波文庫P51-52)

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22-3 労働者の闘争の本当の成果=団結.pdf
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22-4 共産主義者の当面の目的と他のプロレタリア諸党との違い
 ④-[41]P229下12~231上1 (マルクス=エンゲルス『共産党宣言』)

22-5 科学的社会主義の任務
  科学的社会主義(プロレタリア運動の理論的表現)の任務は、プロレタリアートに世界解放の事業を遂行することが、歴史的使命であることを意識させること。④-[59]P379の下線部 (エンゲルス『反デューリング論』)

 

23、賃金奴隷(資本主義)の改善と革命

資本と労働者との三つの競争
①利潤を増やすための資本と生活防衛のための労働者との競争
②利潤を増やすことにより、圧力が増す資本への従属との競争(労働の疎外)
 イ、労働者の機械への従属物化による代替性の増大による地位低下との競争
 ロ、競争相手(企業)との一層の競争のための資本との一層厳しい競争
③資本効率を高めるための弾力的雇用との労働者の生存をかけた競争(人間は他の商品と違い、その数の増減を短期にはできない。)
利潤が増えれば増えるほど労働者は追い詰められる。万国の労働者よ団結せよ!!

23-1 資本にとっての一労働日
(大月はん『資本論』①P346F3-347F8)

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23-2 資本は労働者の健康や寿命には、社会によって顧慮を強制されないかぎり、顧慮を払わない
(大月版『資本論』①P352-353の本文)

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23-3 標準労働日の制定は、資本家と労働者との何世紀にもわたる闘争の結果である
「標準労働日の制定は、資本家と労働者との何世紀にもわたる闘争の結果である。しかし、この闘争の歴史は、相反する二つの流れを示している。……現代の工場法が労働日を強制的に短縮するのに、以前の諸法令はそれを強制的に延長しようとする。」(大月版『資本論』①P354-355の本文)

23-4 労働者たちは団結しなければならない、彼らを守る超強力な社会的障害物を、資本に強要しなければならない
(大月版『資本論』①P396B1-397の本文)

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23-4-2 23-1から23-4までのまとめ

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23-5 最初の工場法の制定以来、今ではすでに半世紀が流れ去っていた
  労働者階級は、「法律による労働日の制限や規制を半世紀にわたる内乱によって一歩一歩かちと」った。「最初の工場法の制定以来、」半世紀にわたる資本と労働との、労働者の作り出した剰余価値をめぐっての、隠然と行われた階級闘争の結果、実質的に労働日を規制できるようになった。(大月版『資本論』 ①P387-8、393)


23-6 労働時間の再度の減少が避けられなくなる
  1833年より前──無制限労働日の時代  1833年~1847年──12時間労働日の時代
  1848年~現代までの時代──10時間労働日の時代(大月版『資本論』①P545 B10~4)

23-7 最も簡単な清潔保険設備でさえも国家の側から強制法によって押しつけられなければならない
「利害の対立する社会では各人はその私利を追求することによって公益を推進する、という自由貿易の信条が輝かしく示される」社会。「資本主義的生産様式にたいしては最も簡単な清潔保険設備でさえも国家の側から強制法によって押しつけられなければならないということ、これほどよくこの生産様式を特徴づけうるものがあろうか?」(大月版『資本論』①P627-8)

23-8 「工場立法」での資本の譲歩と改良と革命(新たな社会の形成要素と古い社会の変革契機)  重要!!
(大月版『資本論』①P635、P653-654)

 この『資本論』第一部第四篇「第一三章 機械と大工業」は、『資本論』第三部第七篇「第五一章 分配関係と生産関係」の結びの文章とシームレスに繋がっています。

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23-8 「工場立法」での資本の譲歩と改良と革命(新たな社会の形.pdf
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23-9 資本主義的生産は、人間材料についてはどこまでも浪費をこととする
(大月版『資本論』④P109F2-B6)

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23-10 「賃金・価格・利潤」が私たちに教えるもの            重要!!

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24、政治権力をにぎるための方法(平和的または強力による)

24-1 革命の(平和的または強力による)方法と国際連帯
  政治権力をにぎるための革命の方法にはアメリカやイギリスのように平和的方法で目標に到達できる国々があるが、ヨーロッパの大多数の国々では強力が革命のてことならざるをえない。革命は国際的な連帯なしに成就できない。⑤-[136]P253-255の下線部 (マルクス『ハーグ大会についての演説』)

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24-1 革命の(平和的または強力による)方法と国際連帯.pdf
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24-2 社会革命の平和的で合法的な手段での実現の可能性
 マルクスは、「少なくともヨーロッパでは、イギリスは、不可避な社会革命が平和的で合法的な手段によって完全に遂行されるかもしれない唯一の国である、 という結論に達したのである。もちろん、彼はこの平和的で合法的な革命にたいしてイギリスの支配階級が「奴隷制擁護の反乱」なしに屈服することはほとんど 期待していない、とつけ加えることをけっして忘れはしなかった。」(大月版『資本論』(エンゲルス「英語版への序文」)1886.11.5付)

24-3 おまけ(革命の引き金)
当時のマルクスとエンゲルスが「恐慌が政治的変革の最も強力な槓杆」と考えていたとしても、何の不思議もないわけは、

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25、社会主義・共産主義(どんな社会か)

ブルジョア社会では、過去が現在を支配し、共産主義社会では現在が過去を支配する。

25-1 なぜ「共産党」と名のったか
 ④-[45]P265上1~下4 (エンゲルス『「共産党宣言」(1888年英語版)序文)』)

25-2 ブルジョア社会と共産主義社会の違い
ブルジョア社会では、生きた労働は、蓄積された労働を増殖するための手段」、「共産主義社会では、蓄積された労働は、労働者の生活過程を拡大し、ゆたかにし、促進する手段」。「ブルジョア社会では、過去が現在を支配し、共産主義社会では現在が過去を支配する。」④-[41]P235下線部 (マルクス=エンゲルス『共産党宣言』)

25-3 新しい社会秩序の「模範的」な体制はどう構築されなければならないか
 新しい社会秩序の「模範的」な体制は、至高の頭のなかからではなく、歴史的に発展してきた現存の材料から、それの必然的な結果として構築されなければならないことを述べている。④-[58]P339上3~8 (エンゲルス『反デューリング論』)

25-4 国家と法律の廃止の条件
「生産諸力がまだ、競争をよけいなものにするほどには発展して」いなければ、「国家と法律を廃止」することはできない。④-[23]P115上1~5 (マルクス・エンゲルス『ドイツ・イデオロギー』)

25-5 資本主義的生産様式をなくすことによる労働日の短縮とその意義
「労働の生産力が増進すればするほど労働日は短縮されることができるし、また労働日が短縮されればされるほど労働の強度は増大することができる。社会的に見れば、労働の生産性は労働の節約につれても増大する。……労働がすべての労働能力ある社会成員のあいだに均等に配分されていればいるほど、……社会的労働日のうちの物質的生産に必要な部分はますます短くなり、個人の自由な精神的・社会的活動のために獲得された時間部分はますます大きくなる。……資本主義 社会では、ある一つの階級のための自由な時間が、大衆のすべての生活時間が労働時間に転化されることによって、つくりだされるのである。」(大月版『資本 論』② P686F9~ 〉

25-6 資本主義的生産様式の解消後の剰余労働のあり方
それ(保険財源としての剰余価値の一部分──青山)はまた、剰余価値および剰余生産物のうちの、つまり剰余労働のうちの、蓄積のために、すなわち再生産過程の拡大のために役立つ部分のほかに、資本主義的生産様式の解消後にも存続せざるをえないであろうただ一つの部分でもある。このことは、もちろん、直接生産者によって規則的に消費される部分が現在のような最低限度に制限されてはいないであろうということを前提する。年齢から見て、まだ、またはもはや、生産に参加できない人々のための剰余労働のほかには、労働しない人々を養うための労働はすべてなくなるであろう。」(大月版『資本論』⑤ P1085F7-11)

25-7 分配の資本主義的な性格を剥ぎ取った姿
(大月版『資本論』⑤ P1119B6-1120F4)

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25-8 資本主義的生産様式の解消後の価値規定の重要性
「第一に、その生産様式が価値にもとづいており、さらに進んでは資本主義的に組織されている一国を、ただ国民的欲望のためにだけ労働する一つの全体とみなすことは、まちがった抽象である。
 第二に、資本主義的生産様式が解消した後にも、社会的生産が保持されるかぎり、価値規定は、労働時間の規制やいろいろな生産群のあいだへの社会的労働の 配分、最後にそれに関する簿記が以前よりもいっそう重要になるという意味では、やはり有力に作用するのである。」(大月版『資本論』⑤ P1090B5-1)※「第一に、」の部分は「8-18」に重複掲載。

25-9 特定の分配関係を前提とする資本主義と権利に基づく分配関係
(大月版『資本論』⑤ P1123B4-1124F5)

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25-10 未来の教育の萌芽
「工場制度からは、われわれがロバート・オーエンにおいて詳細にその跡を追うことができるように、未来の教育の萌芽がでてきたのである。この教育は、一定の年齢から上のすべての子供のために生産的労働を学業および体育と結びつけようとするもので、それは単に社会的生産を増大するための一方法であるだけではなく、全面的に発達した人間を生みだすための唯一の方法でもあるのである。」(大月版『資本論』①P630)

25-11 〝自由の国〟と〝必然性の国〟
(大月版『資本論』⑤ P1050B3-1051B6)
注)いわゆる社会主義社会も必然の国である──青山

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25-11 〝自由の国〟と〝必然性の国〟.pdf
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25-12 「自由な人民国家」と「共同社会」
「国家は敵を抑圧するために必要とするのであって、「自由」のためにあるのではない。だから、社会主義のもとでは、「国家」というかわりに「共同体、共同社会」いうことばを使うことを堤議したい。これは、フランス語の「コミューン」に非常によくあてはまるドイツ語です。」⑤-[128]P229下11~4 (ベーベルあてのエンゲルスの手紙 1875.3.18/28)

25-13 不平等の除去からあらゆる階級区別の廃止へ
 不平等は社会主義社会にもある。「あらゆる階級区別の廃止」という正確な表現を使うべきだ。 ⑤-[128]P229下3~下線部全部 (ベーベルあてのエンゲルスの手紙 1875.3.18/28)

25-14 国家に対するマルクス主義者と無政府主義者の違い
 マルクス主義者は「国家という組織された政治権力を手に入れ、その助けを借りて…社会を新しく組織」する。無政府主義者は、「プロレタリア革命は国家という政治組織を廃止することから始めなければならないと宣言します。」⑤-[138]P257下12-259の下線部 (フィリップ・ヴァン・パッテンあてのエンゲルスの手紙 1883.4.18)

25-15「生まれたばかりの共産主義社会」、「共産主義社会の第一段階の社会」と「発展した共産主義社会」、「共産主義社会のより高度の段階の社会」との相違について

(『ゴータ綱領批判』岩波文庫P38-39)

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25-15「生まれたばかりの共産主義社会」、「共産主義社会の第一.pdf
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