マルクス・エンゲルスについてもっと詳しく知りたい人のために

『資本論』を中心とするマルクス・エンゲルスの著作の抜粋(その2)

B、ものの見方、考え方

このページのPDFファイルはこちら

ダウンロード
B.ものの見方、考え方(5-6)のPH原稿.pdf
PDFファイル 221.4 KB

B、ものの見方、考え方

 

このページの紹介

このページは、マルクス・エンゲルスについてより詳しく知っていただくために、マルクス・エンゲルスの著作の重要な部分を抜粋して「Aマルクス・エンゲルスと資本論」から「J、検討すべき課題ほか」までの10ページに分類した中の「Bものの見方、考え方」のページで、下記の5~6のテーマが扱われています。著作の紹介の仕方は、短いフレーズのものは直接紹介し、若干の長さのあるものはPDFファイルに落とし込み、みなさんの利便性を考慮いたしました。

 

このページのテーマ

5、哲学

6、社会とは何か・史的唯物論

各テーマは、『資本論』と久留間鮫造氏編『マルクス経済学レキシコン』を中心に抜粋したものです。出典が「○-[ ]」と表示されているものは、『レキシ コン』の「○」号の文書番号「[ ]」に載っていることを示しています。

 

5、哲学

マルクス・エンゲルスの科学的世界観の確立と弁証法および唯物論について

〈科学的世界観の確立〉

5-1 『哲学の貧困』の意義   
 「われわれの見解の決定的な諸点は、…『哲学の貧困』のなかで、…はじめて科学的に示された。」

④-[36]P185の下線部 (マルクス『経済学批判』(序言))
  マルクスが『哲学の貧困』(1847年)を書いた時期と意味──新しい歴史・経済観の基本点をはっきりと整えおえた時期に、その見解を展開する機会とした。

※詳しくは、「6-0唯物史観──マルクスの新しい歴史・経済観──の成立史」を参照して下さい。

下記のPDFファイル「6-0」を参照

ダウンロード
6-0 唯物史観の成立史.pdf
PDFファイル 205.0 KB

5-2 哲学についての考え方
「意識が生活を規定するのではなくて、生活が意識を規定する。第一の見方では意識を生きた個人と見て、そこから出発し、第二の、現実的生活に一致した見方では現実的な生きた諸個人そのものから出発して、意識をただ彼らの意識とのみ見る。」
 ④-[6]P25-27 (マルクス・エンゲルス『ドイツ・イデオロギー』)
 ④-[7]P29-31 (マルクス・エンゲルス『ドイツ・イデオロギー』)

 

5-2-2 物事の捉え方

「諸物やそれらの相互関係が固定したものとしてではなく可変的なものとしてとらえられるところでは、それらの思想的模写である諸概念もやはり変化や変形を受けるものだということ、それらは硬直した定義のなかにはめこまれるのではなく、それらの歴史的または論理的な形成過程のなかで展開されるのだということ、これはまったく自明なことである。」

(『資本論』大月版④P19)


5-3 『ドイツ・イデオロギー』執筆の意義 
ドイツイデオロギーへの批判と以前の哲学的良心の精算。
④-[21]P109上6~11 (マルクス・エンゲルス『ドイツ・イデオロギー』)
④-[30]全文P133~135 (マルクス『経済学批判』(序言))

ダウンロード
5-3 『ドイツ・イデオロギー』執筆の意義 ドイツイデオロギーへ.pdf
PDFファイル 91.1 KB

5-4 マルクスのフォイエルバッハにかんする11のテーゼの意義
新しい世界観の天才的な萌芽が記録されている最初の文書
④-[31]全文P135 (エンゲルス『フォイエルバッハ論』)
*④-[30]・[31]でマルクスとエンゲルスは互いに「天才的」と認め合っている。

ダウンロード
5-4 マルクスのフォイエルバッハにかんする11のテーゼの意義.pdf
PDFファイル 77.4 KB

〈弁証法〉

5-5 弁証法とは        ②-[141]P387 (F・エンゲルス『反デューリング論』)
「弁証法とは、自然、人間社会および思考の一般的な運動=発展法則にかんする科学という以上にでるものではないのである。」

5-6 全体的関連の科学としての弁証法
「弁証法的思考は、ただ、自然のいたるところで貫いている運動の反映にすぎない。」
弁証法の主要な三つの法則───発展の螺旋的な形式
量から質への転化の、またその逆の転化の法則、対立物の浸透の法則、否定の否定の法則
②-[164]、[165]、[166](F・エンゲルス『自然の弁証法』 

5-7 マルクスの弁証法の革命性
合理的な姿での弁証法は、その本質上批判的であり、革命的である
②-[145]全文 (大月『資本論』Ⅰ22-3)

ダウンロード
5-7 マルクスの弁証法の革命性.pdf
PDFファイル 53.7 KB

5-8 弁証法における否定   
弁証法における否定とは、どういう種類の事物についても、そうすることで発展が生まれてくるような、それ独特の否定の仕方のこと。
②-[141]P389-391 (F・エンゲルス『反デューリング論』)

ダウンロード
5-8 弁証法における否定.pdf
PDFファイル 72.0 KB

5-9 量の質への転化          ②-[142]全文 (大月版『資本論』Ⅰ405-6)
「ヘーゲルがその『論理学』のなかで発見している法則、すなわち、単なる量的な変化がある点で質的な差異に転化するという法則」
(cf)サラリーマンの持っている貨幣(株)と資本家の持っている貨幣(株)の違い。 
〈青山の考察〉場の違いによる機能の変化 (cf)商品の時代による、円の国内外の。

〈唯物論〉

5-10 粗雑な経験主義
粗雑な経験主義は観念論への転落  ②-[67] (剰余価値学説史Ⅰ)

ダウンロード
5-10 粗雑な経験主義.pdf
PDFファイル 61.2 KB

 

6、社会とは何か(史的唯物論)

どこでもいつでも政治的な状態や事件はそれに対応する経済状態によって説明される

6-0 唯物史観──マルクスの新しい歴史・経済観──の成立史

①仕事の序説、1844年『独仏年誌』への掲載②1845年、『ドイツ・イデオロギー』での展開③1847年、マルクス『哲学の貧困』

  マルクス・エンゲルスは『哲学の貧困』を、その見解を展開する機会とした。

※㋐マルクスは、『哲学の貧困』で、経済的諸範疇を、物質的生産の一定の発展段階に照応する歴史的な生産諸関係の理論的表現と見ていた。㋑マルクスは、ユートピア主義者のやり方で、「社会問題の解決」のための公式を先験的にひねりだすのではなく、解放の物質的諸条件をつくりだす運動の批判的な認識のなかから科学をくみださなければならないと考えた。(マルクス『プルードンについて』1865年1月24日、シュヴァイツァーあての手紙)

PDFファイルあり。

ダウンロード
6-0 唯物史観の成立史.pdf
PDFファイル 197.6 KB

6-1どこでもいつでも政治的な状態や事件はそれに対応する経済状態によって説明される
マルクス・エンゲルスは、経済状態をしっかり見ることが情勢認識の基礎であることを私たちに教えている。

(大月版『資本論』④ P23-24 序文) 「5-1」、「5-3」、「8-6」も参照して下さい。

ダウンロード
6-1どこでもいつでも政治的な状態や事件はそれに対応する経済状態.pdf
PDFファイル 75.3 KB

6-2 マルクス=エンゲルスの歴史観の結論  ※この続きが「6-3」です。
 ④-[10]P63上2~65上7 (マルクス・エンゲルス『ドイツ・イデオロギー』)

ダウンロード
6-2 マルクス=エンゲルスの歴史観の結論.pdf
PDFファイル 95.0 KB

6-3 マルクス=エンゲルスの歴史観の基礎  「6-2」の続き
上部構造と土台、交通形態・市民社会と宗教・哲学・道徳等々。
④-[10]P65上8~下8 (マルクス・エンゲルス『ドイツ・イデオロギー』)

ダウンロード
6-3 マルクス=エンゲルスの歴史観の基礎 「6-2」の続き.pdf
PDFファイル 75.4 KB

6-4 社会とは何か?
人間の生産諸力の一定の発展状態→生産・交易・消費の発展の一定の諸段階→それに照応する社会秩序、家族・諸身分・諸階級のそれに照応する組織=社会〔市民社会〕→社会〔市民社会〕の公的表現にすぎない、政治的秩序〔状態〕を受けとる。
④-[32]P141上10~下8 (アンネコフあてのマルクスの手紙 1846.12.28)

ダウンロード
6-4 社会とは何か?.pdf
PDFファイル 72.8 KB

6-5 支配階級の思想は支配的な思想であり支配の思想である
④-[11]P71下8~73上11 (マルクス・エンゲルス『ドイツ・イデオロギー』)

ダウンロード
6-5 支配階級の思想は支配的な思想であり支配の思想である.pdf
PDFファイル 74.0 KB

6-6 経済的状態だけが原因なのではない
  ④-[50]P287上7~289の下線全部 (ボルギウスあてのエンゲルスの手紙1894.1.25)

ダウンロード
6-6 経済的状態だけが原因なのではない.pdf
PDFファイル 89.1 KB

6-7 唯物史観を正しく理解するために ⑤-[151]P333-339全文
 「歴史における究極の規定要因は、」経済的要因である。現実の世界にあるのは、「経済的な状態が土台ですが、しかし上部構造のさまざまの要因」の交互作用であり、「全ての無数の偶然事を通じて、終局的には経済的運動が必然的なものとして自己を貫徹します。」
 そして、この理論は、マルクス・エンゲルスの原典で研究してほしい。正しく理解しないと「おどろくべきがらくたをつくりだ」すことになる。
 (ヨーゼフ・ブロッホあてのエンゲルスの手紙 1890.9.21/22)

ダウンロード
6-7 唯物史観を正しく理解するために.pdf
PDFファイル 148.9 KB

6-8 唯物史観についての質問に答えて  上記「6-7」と対でみて下さい。
唯物史観の考え方(要約:青山)
①土台(経済的諸関係=「一定の社会の人々が彼らの生活資料を生産し、また(分業があるかぎりは)生産物を相互に交換する、その仕方」)

  に立脚して上部構造はあるが、それらは相互に作用しあって、そのなかで、経済的必然性は究極的に常に貫徹される。
②人間の歴史は(歴史の進み方は)偶然性を通じて貫かれる必然性が支配し、その必然性はけっきょく経済的必然性によって生まれる。
⑤-[154]全部P361~367 (ボルギウスあてのエンゲルスの手紙1894.1.25)

ダウンロード
6-8 唯物史観についての質問に答えて.pdf
PDFファイル 148.7 KB

6-9 唯物史観の歪曲─弁証法の欠落  上記「6-7」も参照。
1、「この連中の全部に欠けているのは、弁証法です。」「形而上学的な両極的対立はただ危機においてしか存在しない」
⑤-[152]P355下1~全部 (コンラート・シュミットあてのエンゲルスの手紙1890.10.27)
2、「このほかには、もう一つだけかけている点がありますが、…」
⑤-[153]P357~9全部 (メーリングあてのエンゲルスの手紙1893.7.14)

ダウンロード
6-9 唯物史観の歪曲─弁証法の欠落.pdf
PDFファイル 105.2 KB

6-10 暴力の役割
暴力は、古い社会が新しい社会をはらんだときにはいつでもその助産婦になる。
(大月版『資本論』② P980B4-)

ダウンロード
6-10 暴力の役割.pdf
PDFファイル 51.2 KB

6-11生産関係が社会的構造全体の隠れた基礎であり、様々な経験的事情によって無限の色合いを示す
 (大月版『資本論』⑤ P1014B3-1015F7)

ダウンロード
6-11生産関係が社会的構造全体の隠れた基礎であり、様々な経験的.pdf
PDFファイル 77.2 KB

6-12 慣習や伝統の明文化された、法律としての神聖化は社会の支配者的部分の利益になる
   (大月版『資本論』⑤ P1017F2-B4)

ダウンロード
6-12 慣習や伝統の明文化された、法律としての神聖化は社会の支.pdf
PDFファイル 63.5 KB

6-13 資本主義的生産様式の科学的な分析が証明した生産様式と生産関係の歴史的な規定性
 (大月版『資本論』⑤ P1122B8-1)

ダウンロード
6-13 資本主義的生産様式の科学的な分析が証明した生産様式と生.pdf
PDFファイル 66.5 KB