6B「書籍等の評論」の紹介のページ

話題の書、興味をひいた書籍等を〝まな板の上にのせて〟共に考えるためのページ

最新のページの簡単な紹介

New!!(2023/12/03)

6B-8 孫崎享氏の近著(2023/08/20)を読んで

その近著とは、『同盟は家臣ではない』というタイトルで、「日本独自の安全保障について」という副題がついていますが、「日本独自の安全保障について」のみを扱っているものではありません。

本書は、〈事実を知ることの大切さ〉と〈具体的に考えることの大切さ〉を、「反撃能力=抑止力」論から尖閣諸島とその周辺の問題、台湾問題、憲法・自衛隊問題、そしてウクライナ問題等々ついて、読者に痛感させます。

本書は、孫崎さんの外交官としての矜持を示し、そして、私たちに事実を知らせない〝マスコミへの怒り〟を呼び起こさせます。私の拙い紹介文を契機に、是非、近著『同盟は家臣ではない』に直接触れてみてください。

書籍等の評論

このページ群を編集した理由

資本主義を手放しで喜んでいる人も、必然的に起きる格差を是正しなければならないと思っている人も、資本主義は変えなければダメだと信じている人も、なぜか、グローバル資本の行動には触れません。右も左も自由主義社会を謳歌しています。

 マルクスは経済学について、「経済学の取り扱う素材の独自の性質は、…私的利害というフリアイ(*)を、戦場に呼びよせる。」(大月版『資本論』③ P322)といっています。だから、世の中には、「真理愛や科学的探求欲のどんな必要」よりも「ブルジョア世界のなかに、ありとあらゆる世界のうちの最良の世界を発見しようとする親切な善意」に満たされた「俗流経済学」(同前⑤ P1080B2-1081F1)が溢れています。

そんな中で、「日本経済の構造問題」を日本社会全体の構造問題として捉え、出口を模索している人もいれば、「俗流経済学」の中であえいでいる人もいます。

 そのような人たちが書いた話題の書、興味をひいた書等を〝まな板の上にのせて〟、「日本経済の構造問題」、そして、日本社会の構造問題について、みなさんと一緒に考えたいと思いこのページを開設しました。

(*)ギリシャ神話:頭髪がへびであった三人姉妹の復讐の女神。

「書籍等の評論」の各ページの紹介

New!!(2023/12/03)

その近著とは、『同盟は家臣ではない』というタイトルで、「日本独自の安全保障について」という副題がついている。孫崎さんが、傘寿を迎えられ益々エネルギッシュに活躍されている原動力の一つは、〝同盟は家臣ではない〟ということを、外務省の後輩を含め、広く国民に知らしめることを自らの使命と心得ているからのようの思われる。

本書は、「日本独自の安全保障について」のみを扱っているものではありません。本書は、「反撃能力=抑止力」論、尖閣諸島とその周辺の問題、台湾問題、憲法・自衛隊問題、及びウクライナ問題等に関し、〝〈事実を知ることの大切さ〉と〈具体的に考えることの大切さ〉〟を読者に痛感させ、孫崎さんの〝外交官としての矜持〟を示し、そして、私たちに事実を知らせない〝マスコミへの怒り〟を呼び起こさせます。

私の拙い本書の紹介文が、孫崎さんの近著〈『同盟は家臣ではない』…日本独自の安全保障について〉にみなさんが直接触れていただくためのささやかなきっかけをつくることができれば幸いです。

 

6B-7 

『資本論』と『人新世の「資本論」』の紹介

斎藤幸平氏は、『資本論』から何を学び、何を学ばなかったのか

内容の簡単な紹介です。

①『人新世の「資本論」』の意義

斎藤幸平氏の『人新世の「資本論」』は、現代の資本主義がもたらす「短期」と「長期」の災禍のうちの「長期」の問題に焦点をあてた、科学的社会主義の思想に立脚した素晴らしい入門の書です。資本主義の改善によって資本主義的生産様式と「地球=自然」を守ることが両立するかのような考えにしがみつく輩を論破し、資本主義を断罪して新しい生産様式の社会の必要性を説く斎藤氏の姿勢は、「前衛党」が資本主義のわずかな「改善」にのみ国民の目を逸らせているなかで、大変意義のある著作です。

②資本主義的生産様式が「社会」に及ぼす深刻な危機とその除去方法をみる

まずはじめに、現代の資本主義がもたらす「短期」の災禍、『人新世の「資本論」』がまったく触れなかった、グローバル資本の傍若無人な行動がもたらす、今の日本社会の危機とその除去の方向性を見ていきます。

③『人新世の「資本論」』の訂正すべき点等をみる

なお、『人新世の「資本論」』には、科学的社会主義の思想の立場から見て、訂正したり補筆したりすべき点も少なからずあり、特に残念なのは、〝革命〟の要素である生産様式のあり方に関する大切な部分が欠落しています。私がこのページであえてそれらの点を取り上げるのは、斎藤氏の『人新世の「資本論」』を高く評価するからこそです。

④『人新世の「資本論」』が描く未来社会像をみる

斎藤氏は、五つの「脱成長コミュニズムの柱」を提示し、「資本と対峙する社会運動を通じて、政治的領域を拡張していく必要がある」と言い、「最終的にはシステム全体を変えなくてはならない」と言いますが、国家を変革することへの不信感なのか、国家を変革する「党」への不信感なのか、斎藤氏の『人新世の「資本論」』には、国家と社会の設計図がありません。

⑤『資本論』から学び、コミュニズムを実現するために

『資本論』とマルクス・エンゲルス・レーニンが示した資本主義的生産様式の社会を卒業するための道は、①国法をもって「資本」が「生産手段」と企業を支配する権利を剥奪し、知的財産権等「財産」に基づく特権を廃止し、②〝生産手段にたいする全人民の民主主義的管理を組織すること〟と〝全勤労大衆の国事参加を民主主義的に組織すること〟を中心に、社会を民主的に組織すること、の国民的合意を形成することです。

  だから、私たちは、「資本主義の超克」のための「民主主義の刷新」と「企業の資本からの解放」という、〝三位一体の革命思想〟をもって労働運動・社会運動を進めなければなりません。

さあ、〈『資本論』と『人新世の「資本論」』〉を読んで、青山を検証して下さい。

なぜ企業は史上空前の利益を得ているのに日本の明るい未来が見えないのか。「日本経済の構造問題」を白井さゆり氏の『東京五輪後の日本経済』をテキストに、一緒に考えてみましょう。

『閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済』は現代をどう克服したか?

「閉じた帝国」の中は、「資本主義的生産様式の社会」ではつくれない社会だった。

『閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済』は現代をどう映しているか。

水野氏は、「革命家」の不破さんよりも確かに現代を把握しているようだ。

6B-4

バブルは「日本迷走の原点」なのか

「昨今話題」の書『バブル』は〝真実〟を伝えているか

日経新聞によれば、永野健元日経連会長の息子、永野健二の著書『バブル 日本迷走の原点』は「バブル」が「日本迷走の原点」だと言い、「昨今話題」だという。この、「事実」満載の書は〝真実〟を伝えているのか?「日本迷走の原点」、いや、「壊れていく日本の原点」を探ることは、その再生の道を探ることにつながる。この機会に、「バブル」とは何だったのか、「失われた20年(私は今も同じ経済構造が続いていると思うが)」とは何なのかを、この機会に、あらためて検証してみた。

「資本主義が危機に直面している」、そんな議論が論壇でさかんだという『日経』は、「資本主義の再起動」のために「機能は壊さず知恵広げよ」と一徹に言うが…

『赤旗』の使命とは何か。GDP2期連続マイナス成長の真の原因は何か。『赤旗』は、労働者階級の階級的自覚を高めることを常に意識して編集されなければならない。

自治体問題研究所のホームページに意見交換の〝広場〟を設けること、合意形成の新しいプラットホームを作ることを求めた、〝自治体問題研究所〟へのラブコール。