『赤旗』を私物化してデマを広める不破さん

正義の味方、真実の友である『赤旗』は、「恐慌」の都度「前よりも高い所で経済的発展が進む」という資本家の立場に立った不破さんのウソを合理化するための、欺瞞の「新刊本」の宣伝をするのを、ただちに、やめて下さい。『赤旗』は不破版エセ「資本論」の宣伝を、直ちに、やめて下さい

その1、欺瞞の「新刊本」、「『資本論』完成の道程を探る」について

 

欺瞞の「新刊本」には「欺瞞のタイトル」が必要〈その1〉

不破さんの新刊本「『資本論』完成の道程を探る」には、「マルクスが心血を注ぎ、エンゲルスがその完成に生涯をかけた全道程が明らかに!」と、科学的社会主義の思想を探究しようとする人たちの興味をそそるような宣伝文句が付けられています。

 

『資本論』を歪曲・改竄して、エンゲルスの編集を誹謗する

不破さんは、『資本論』の第二部でマルクスが資本家の観点から拡大再生産をしなくても資本主義を維持することが可能かどうかを検証しているのを歪曲・改竄して、マルクスが資本家と同じ立場に立っていたかのように言います。そして、第三部では、利潤率の傾向的低下の法則の本源的意味──資本が価値を生むということの否定──も分からず、第一四章で述べられている資本の「合理化」手法には目をつむり、第一四章と第一五章を捨て去るように提案しています。そして、不破さんの「思想」に合わないすべての原因をエンゲルスの編集のせいにしています。

この「新刊本」は、不破さんの、このような『資本論』の第二部と第三部の改竄とマルクス・エンゲルスに対する誹謗・中傷を合理化し、「正しい」ものであるかのように欺くために書かれたものです。

 

欺瞞の「新刊本」には「欺瞞のタイトル」が必要〈その2〉

 不破哲三氏の新刊本「『資本論』完成の道程を探る」の『赤旗』での宣伝文句は、科学的社会主義の思想(マルクス・エンゲルスが発見し、レーニンが発展させた思想)の正しさを探究しようとする人たちを科学的社会主義の思想から遠ざけることに生涯を捧げようと決意した不破さんの意図を遺憾なく現しています。

 新刊本「『資本論』完成の道程を探る」が過去の「論考」の集積であることを説明した文章にも、目次の紹介にも、マルクスの歪曲やエンゲルスの編集を批判する言葉は微塵も見られず、その宣伝文句は「マルクスが心血を注ぎ、エンゲルスがその完成に生涯をかけた全道程が明らかに!」と書かれ、科学的社会主義の思想を探究しようとする人たちの興味をそそるものとなっています。

 

不破さんは、自分の考えを堂々と述べよ

 しかし、不破さんが2003年以降、公然とはじめた『資本論』の歪曲・改竄とマルクス・エンゲルスに対する、不破さん自らの推測を論拠としての、誹謗・中傷の諸文章を見れば明らかなように、先の宣伝文句には、「私(不破さんのこと)は、2001年以降にマルクスが資本主義発展論者であることを発見し、「激しい理論的衝撃」を受け、「ここを理解して『資本論』を読むと、多くの点で、『資本論』の解釈がこれまでのそれとはまったく違っ」た(『前衛』2015年1月号)ものとなった。私(不破さんのこと)の推測を論拠に、『資本論』の誤りとマルクスの草稿の未熟さ、そしてその未熟な草稿のエンゲルスの誤った編集の全道程を明らかにする!!」という言葉が続いていなければ不破さんの真意を現したものとは言えません。

 

欺瞞の「新刊本」には「欺瞞のタイトル」が必要なのです

 けれども、このようなタイトルでは、科学的社会主義の思想を探究しようとする人たちをマルクス・エンゲルスから遠ざけて「不破理論」に引きずり込むことはできません。だから、欺瞞の「新刊本」には、「欺瞞のタイトル」が必要なのです。

※「『資本論』の解釈がこれまでのそれとはまったく違った」という文章については、ホームページ4-19「☆不破さんは、マルクスが1865年に革命観・資本主義観の大転換をしたという、レーニンも気づかなかった大発見を、21世紀になっておこない、マルクスの経済学をだいなしにしてしまった。」を参照して下さい。

その2、不破版エセ「資本論」について

 

『赤旗』は不破版エセ「資本論」の宣伝をやめて下さい

 不破さんが編集を指揮したエセ「新版 資本論」の「第二部」の宣伝が、『赤旗』紙上を占拠して連日のように行なわれています。その宣伝文句で、「マルクスは、第三篇で再生産過程の全容を示す表式と拡大再生産の条件を示すことに成功した」などとトンチンカンなことをいって、「新版 資本論」なるものがマルクス・エンゲルスの『資本論』とは縁もゆかりもない贋作であることを告白しています。

 

不破さんは拡大再生産の表式のもつ意味を隠蔽する

 不破さんは「『資本論』探究」においても、「単純再生産に続いて、拡大再生産の問題でも、資本主義的生産のもとで順調な進行が可能である」ということを証明できてマルクスが喜んだと、マルクスが資本主義的生産様式の生産の条件を証明できたことを喜んだかのようなことを言って、不破さんの資本主義発展論に基づいて『資本論』を歪曲・捏造しようとしています。しかし、マルクスが『資本論』を通じて私たちに訴えているのは、「単純再生産の前提は、資本主義的生産とは両立しない」こと、つまり、資本主義的生産様式の社会において「資本」は大海原を走り続けるマグロのようにⅠ(v+m)>Ⅱcという関係のなかで走り続けなければならず、走り続けることによって生産と消費の矛盾は拡大し、それはなんらかの方法で調整されなければならないということ、そして、Ⅰ(v+m)>Ⅱcという関係が成り立たなければ、客観的な生産条件がいくら整っていても、資本主義のもとでは生産が制限されるということです。

 このように、マルクスは「拡大再生産の表式とその条件を示すことに成功し」、そのことを「喜んだ」のではありません。マルクスは「第三篇」の「拡大再生産の表式」の論及を通じて、資本主義的生産様式の基での「拡大再生産」の限界を明らかにしたのです。

 

不破さんは、資本家の考えをマルクスの思考過程に改竄し、マルクスの馬鹿さ加減を嘲笑する

 不破さんは、「『資本論』探究」で、このような『資本論』が述べている大切なことはいっさい語らず、「第二一章 蓄積と拡大再生産」の「解説」で、ペテン師とでもいうべき方法で『資本論』を改竄し、マルクスの馬鹿さ加減を嘲笑し、マルクスを誹謗しています。それらのことを別の言葉で表現したのが冒頭の〝宣伝文句〟で、不破さんが編集を指揮したエセ「新版 資本論」はそのような文脈のなかで編集されています。

 

『赤旗』編集局の職員は『資本論』をしっかり読んで、ペテン師に騙されるな

 だから、『赤旗』はエセ「新版 資本論」の宣伝をただちにやめるべきです。『赤旗』編集局のなかに私の言っていることが信じられない人がいるのなら、それは学習を怠っている人です。そういう人は、とりあえず、ホームページAZ1-2「国民のための経済がある新しい共同社会を創るために、科学的社会主義の思想を正しく知るための、不破さんの「マルクス『資本論』反面教師講座」の解説」(その2)だけでも、お読み下さい。