マルクス・エンゲルスについてもっと詳しく知りたい人のために

『資本論』を中心とするマルクス・エンゲルスの著作の抜粋(その1)

Aマルクス・エンゲルスと資本論

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このページの紹介

このページは、マルクス・エンゲルスについてより詳しく知っていただくために、マルクス・エンゲルスの著作の重要な部分を抜粋して「Aマルクス・エンゲルスと資本論」から「J、検討すべき課題ほか」までの10ページに分類した中の「Aマルクス・エンゲルスと資本論」のページで、下記の1~4のテーマが扱われています。著作の紹介の仕方は、短いフレーズのものは直接紹介し、若干の長さのあるものはPDFファイルに落とし込み、みなさんの利便性を考慮いたしました。

 

このページのテーマ

1、資本論について

2、マルクスの研究にとっての導きの糸

3、マルクスが新しくやったこと

4、マルクス・エンゲルスについて

 各テーマは、『資本論』と久留間鮫造氏編『マルクス経済学レキシコン』を中心に抜粋したものです。出典が「○-[ ]」と表示されているものは、『レキ シコン』の「○」号の文書番号「[ ]」に載っていることを示しています。

 

1、資本論について

『資本論』を著した目的、研究範囲等を知り、『資本論』を読むに当たっての心構えをしよう!!

1-1 資本論について……発刊の経緯 (大月版『資本論』①P7)
  ドイツ語版編集者の注解(1)は「『資本論』はカール・マルクスの主著で、彼は生涯の40年間をこの著作に費やした」と述べ、『資本論』発刊の経緯が書かれています。
 是非、『資本論』を手にとってお読み下さい。 

1-2 資本論の最終目的           (大月版『資本論』Ⅰ(初版序文)P8-10)
 近代社会の経済的運動法則を暴露し、分娩の苦痛を短くし緩和すること。

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1-2 資本論の最終目的.pdf
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1-3 研究を商品の分析から始めるわけ           (大月版『資本論』ⅠP47)
 資本主義的生産様式が支配的に行われている諸社会では、個々の商品は、その富の基本形態として現れるから。

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1-3 研究を商品の分析から始めるわけ.pdf
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1-4 資本論の難解な部分           (大月版『資本論』Ⅰ(初版序文)P7-8)
『「価値形態」の叙述は「弁証法がはるかに鋭くなっているので」難解である。それは、「商品の価値形態が経済的な細胞形態」であり、抽象力が必要だからである。』

1-5 マルクスのやった大きな失策
 「資本論の難解な部分」関連。「失策」は「わかりやすくしなかったこと」。われわれは、民衆に「できるかぎりわかりやすくしてやらなければならないのだ。」
 ②-[131]P347(マルクスあてのエンゲルスの手紙1867.6.16)

1-6 エンゲルスの忠告に従ったし、従わなかった
「マルクスのやった大きな失策」への返書
②-[132]P349(エンゲルスあてのマルクスの手紙1867.6.22)
エンゲルスの忠告に従ったことを示す追伸
②-[133]P351(エンゲルスあてのマルクスの手紙1867.6.27)

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1-6 エンゲルスの忠告に従ったし、従わなかった.pdf
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1-7 第1分冊が非通俗的だったわけ
 ある科学に革命をおこそうという科学的な試みは、真に通俗的なものではありえません。しかし、……
③-[330]P407(クーゲルマンあてのマルクスの手紙 1862.12.28)

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1-7 第1分冊が非通俗的だったわけ.pdf
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1-8 資本論でイギリスを例にとるわけ          (大月『資本論』ⅠP932-6)
 ただイギリスにおいてのみ、「本源的蓄積の歴史」の典型的な形をとるからである。

1-9 資本論の研究範囲         ①-[40] (大月版『資本論』Ⅲ④ P140F2-6)
 資本論の研究範囲は資本の一般的な性質を把握すること。

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1-9 資本論の研究範囲.pdf
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1-9-2『資本論』全三部の構成と「第三部」について、マルクスが「第三部」で論究したこと

(『資本論』大月版④P33~34)

  マルクスは、第一部の研究対象が生産過程で、流通過程が第二部の研究対象だったことを述べ、第三部では、全体として見た資本の運動過程を研究対象とすることを述べ、その研究の視点を明らかにしています。

PDFファイルあり。

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1-9-2『資本論』全三部の構成と「第三部」について、マルクスが.pdf
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1-10 一般的研究の前提             ①-[42] (大月版『資本論』ⅢP182)
  偶然的な非本質的なものは無視して、現実の諸関係はその概念に照応することが前提。
1-11 生産関係の物化の叙述          ①-[55] (大月版『資本論』ⅢP1064)
 資本主義的生産様式の内的編制を、いわばその理想的平均において、叙述するだけ。

 

2、マルクスの研究にとっての導きの糸

 マルクスは『資本論』の研究に当たって、何を導きの糸としたのか、それは、私たちが現代を考えるうえでも大切な観点です。

2-1 マルクスの研究にとっての導きの糸として役だった一般的結論     重要!!
②-[1](『経済学批判』(序言) 全集、13巻、 6-7ページ)
〈ポイント〉「物 質的生活の生産様式が、社会的、政治的および精神的生活過程一般を制約する。人間の意識が彼らの存在を規定するのではなく、逆に彼らの社会的存在が彼らの 意識を規定するのである。社会の物質的生産諸力は、その発展のある段階で、……既存の生産諸関係と、……所有諸関係と矛盾するようになる。これらの諸関係 は、生産諸力の発展諸形態からその桎梏に一変する。そのときから社会革命の時期が始まる。」

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2-1 マルクスの研究にとっての導きの糸として役だった一般的結論.pdf
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2-2 ヘーゲルの思考方法とマルクス       重要!!      
〈ポイント〉 ヘーゲルの「画期的な歴史観」と「弁証法的方法」から「マルクスの経済学批判の基礎をなしている方法の完成」を導き出した。 ②-[3] (P14~23)〔F・エンゲルス『カール・マルクス:経済学批判』(書評)全集13巻 P474-9〕

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2-3 マルクスの見解のもつ意味     重要!!
「マルクスの見解全体が、一つの教義ではなくて、一つの方法です。……それより進んだ研究のよりどころであり、またこの研究のための方法なのです。」
③-[309]P383(ゾンバルトあてのエンゲルスの手紙1895/03/11)

2-4 科学的研究をおこなう上での心構え   
「経済学の分野における私の研究の道すじ」は、「長年にわたる良心的な研究の成果である」。③-[318]P397 (経済学批判 (序言))

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2-5 どの科学の場合にも言えること 
「なにごとも初めが困難だということは、どの科学の場合にも言えることである。」
③-[321]P399 (大月版『資本論』Ⅰ(初版序文)P7)

2-6 批判についてのマルクス・エンゲルスの考え方
「仮借なくやること──これはあらゆる批判の第一条件だ」
 ③-[333]P409-411(エンゲルスあてマルクスの手紙 1877年7月18日)
 ③-[334]P411(オスカー・シュミットあてエンゲルスの手紙 1878年7月19日)

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2-6 批判についてのマルクス・エンゲルスの考え方.pdf
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2-6-2 科学的社会主義者の基本精神

「科学的な問題に携わろうとする人は、なによりもまず、自分が利用しようとする書物をその著者が書いたとおりに読むことを、またことに、そこに書いてないことを読み込まないようにすることを、学ばなければならないのである。」(『資本論』大月版④P30)

2-7 経済学を一つの実証的な科学に転化すること
「相争う教議の代わりに、相争う諸事実とそのかくれた背景をなす現実の諸対立とをおくことによってのみ、われわれは経済学を一つの実証的な科学に転化することができるのだ。」  ②-[38]P131下線部 (エンゲルスあてマルクスの手紙 1868年10月10日)

 

3-1 マルクスが新しくやったこと

3-1 マルクスが新しくやったこと重要!!
1、史的唯物論の発見。
2、階級闘争は必然的にプロレタリアートの独裁に導く。
3、この独裁は、いっさいの階級の廃止と無階級社会への通過点に過ぎない。ということ。
 ⑤-[137]P255-257の下線部 (ヴァイデマイヤーあてのマルクスの手紙 1852.3.5)

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4、マルクス・エンゲルスについて

4-1 65歳のエンゲルスの一日
  忙しいエンゲルス
 ⑤-[139]P259-261上7 (ザスーリチあてのエンゲルスの手紙 1885.4.23)参照。

 エンゲルスはマルクスの死去(1883年)後、労働運動の指導を主として夏に、そして、『資本論』の編集を主として冬にというように交互に行なう多忙な日々を過ごしており、1885年に『資本論』の第2巻の編集を終えることができました。別添のPDFファイルには、当時の目一杯の忙しさの様子が書かれています。

 また、10年がかりで『資本論』の第3巻を刊行した年(エンゲルス74歳)にボルギウスあての手紙でエンゲルスは次のように述べています。

「以上述べたことでは、ことばのせんぎはあまりしないで、関連に注目してくださるようにお願いします。残念ながら、あなたのために十分に精確に書いている時間がありません。世間にむかってならばそうしなければならないところでしょうが。」⑤-[154]P367 (ボルギウスあてのエンゲルスの手紙1894.1.25)

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4-2 マルクスのサン・シモンの評価へのエンゲルスの優しいまなざし
  マルクスがサン・シモンについて、オーエンと対比して、厳しい評価をしていることに関して、文中の注で、サン・シモンに対するマルクスのその後の評価を踏まえ、優しいまなざしで、訂正している。  〈大月版『資本論』⑤ P780F1-782F6〉
 *この態度は、不破氏のマルクス・エンゲルス・レーニン研究の方法とは大きく異なる。