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絶対に許せないプーチンのウクライナ侵攻を〝俯瞰〟する

「日経電子版」(共同)によると、ノルウェーとNATOの軍事演習で、ノルウェーの北部ボーデにむかったオスプレーが3月18日墜落事故を起こしたそうです。*なおノルウェーは、NATOとの定例的な軍事演習において、ロシアとの国境付近で緊張を煽るような演習はしないという政策をもっているとのことです。

絶対に許せないプーチンのウクライナ侵攻を〝俯瞰〟する

 

悪者はプーチンだけか?

ロシアのプーチン大統領によるウクライナ侵攻は、いかなる理由があろうと許されるべきものではありません。しかし、多くのウクライナ国民の命が危険にさらしていることについては、米国のバイデン大統領とウクライナのゼレンスキー大統領にも、その責任は問われなければならない。

 

ロシアを挑発し、ロシアの軍事侵攻を認識していた米国

なぜなら、両氏ともグルジアのNATO加入を巡る経緯によって、〝ウクライナ、グルジアがNATOに加入するなら、軍事的手段もとる〟と明言するロシアの軍事的デットラインが何処にあるかを熟知していたはずである。にもかかわらず、米国オバマ時代副大統領だったバイデン氏はNATOの東方拡大を積極的にすすめ、大統領になってからはウクライナに軍事的な支援を行なうだけでなく、英国と組んで黒海に急襲揚陸艦まで派遣してロシアを挑発する始末です。これらの結果、ご承知のとおり、ロシアは米国がデットラインを超えたとの判断をもって、軍事侵攻を前提とした大演習を計画します。この事態について、米国ブリンケン国務長官やバイデン大統領などの発言を見れば明らかなように、米国はその性格を正確に理解していました。

 

戦争を避けるための外交努力をせず、ウクライナに武器を送るだけの米国

だから、このような事態を招いたことに対し、軍事も政治も分からないゼレンスキー大統領はともかく、知識と力のある米国には、戦争を避けるための外交努力を誠心誠意行うべき義務がありました。しかし、米国は、戦争への道を作り、煽るだけ煽った張本人であるにもかかわらず、そのような努力は一切せず、ロシアの侵攻が始まると予定していたプーチン大統領とバイデン大統領との会談もキャンセルし、ウクライナに武器を送って、軍事も外交も知らずに米国にはしごを外されたウクライナのゼレンスキー大統領を煽り、厚顔無恥にも、バイデン大統領がまるで正義の人ででもあるかのようなプロパガンダを展開し、NATOの盟主としてトランプ大統領もできなかった応分の負担をヨーロッパ諸国に引き受けさせることに成功しつつあります。

 

米国びいきも、米国の行動の検証を求め、『日米安保』に疑念

だから、このような事態に至ったことについて、BSフジのプライムニュース(2022/03/18)で元NHKワシントン支局長の手嶋龍一氏も、ロシアのプーチン大統領によるウクライナ侵攻を非難した上で、ゼレンスキー大統領とバイデン政権の行動の検証の必要性を強く指摘しました。手嶋龍一氏の指摘はそれだけではありません。日本のマスコミは台湾有事を煽り立てていますが、自他共に認める『日米安保』推進論者である手嶋氏は、この間のバイデン政権の無責任な行動をみて相当ショックを受けたらしく、『日米安保』の日本の安全保障にとっての疑念を吐露していました。

 

国民を守るため、知恵を絞って争いを回避する国々

なお、ヨーロッパで大国の狭間にある国々は、自国の国民の命と暮らしを守るために様々な努力をしています。NATOに加入していても、お金が無いからといって、軍隊を持たないとか、NATOに加盟せずNATOとの定例的な軍事演習は行なうがロシアと接する地域は演習地域に入れないとか、NATOに加盟しないで中立を保ち続けているとか、知恵を絞って大国間の争いに巻き込まれないようにしています。

 

ご都合主義の米国に疑念を持つのは当然

その政治的行動に不安をおぼえるトルコのエルドアン大統領よりも頼りになりそうなウクライナに軍備を拡大しようと、政治に無知なゼレンスキー大統領をそそのかしてロシアとの対立を煽った米国は、今回、いざ戦争となるとゼレンスキー政権に架けたはしごを外してしまいました。だから、『日米安保』を信奉していた手嶋龍一氏が抱いた、『日米安保』の日本の安全保障にとっての疑念は、まともな頭の持ち主なら、至極当然なものといえます。

 

いま熟考すべきは、米国の尻馬に乗って勇ましいことを言っている人たち

だから、軍事同盟に頼り、軍事的に米国の指揮命令に服し、経済的に米国のコントロールの下にある日本で、米国の尻馬に乗って勇ましいことを言っている人たちが、この間の米国の行動を見て、自分たちも米国にはしごを外されたら、日本国民に甚大な被害をもたらすピエロになり得ることを、少しでも感じていただくことを願うばかりだ。なぜなら、いまの日本はそういう人たちによって支配されており、被害を受けるのは日本国民であり、日本はアジアの国であり、米国を中心とする「西側諸国」の人たちはシリアとウクライナとを等しい目線で〝人道〟を見ていない人たちだから、なおさらです。

 

〝正義の味方、真実の友〟は何処へ

ウクライナの悲惨な映像を流し、プーチンを悪魔のようにいうだけで、国民の思考を停止させてしまうマスコミは、いつでも〝悪魔〟の武器になってしまいます。

 昔、1970年代に〝正義の味方、真実の友〟というキャッチフレーズそのものに輝いていた、立派な新聞がありました。これまで私が述べてきたようなことを、もっと正確に、もっと詳細に、もって広範に伝える〝正義の味方、真実の友〟は何処へ行ってしまったのだろうか。その新聞は、当時〝正義の味方、真実の友〟と思った人たちによって今でも支えられ続けているのに。(3月19日に、このように書いて、このページを〈マイ・オピニオン〉に掲載しました。)

 しかし、昔、〝正義の味方、真実の友〟というキャッチフレーズそのものに輝いていた『赤旗』は4月6日の紙面で、米国とバイデン大統領の帝国主義政策についても、軍事同盟の盟主としての危険な行動についても、一切触れることなく、バイデン大統領を「正義の味方」のように報じています。この報道は〝真実〟の報道でも〝正義〟の報道でもありせん。「民主主義」を標榜しながら、自分たちと利益が一致すれば、クーデターで〝民主主義政権〟を倒したピノチェトのような独裁者を擁護する「西側諸国」、とりわけ米・英の化けの皮を剥がすのが〝正義の味方、真実の友〟の仕事です。もしも『赤旗』が主観的に「正義の味方、真実の友」と思っているのであれば、二度とこのような国民を欺く記事は書かないで下さい。(上記の文章を4月7日に追加しました。)

これら全てを踏まえての、私の心からの叫び!

プーチンは、今すぐ、ロシア全軍に〝打ち方止め!〟と命令せよ!!