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3月28日放送のBSテレ東「NIKKEI NEWSプラス9」に思わず大笑い!!

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6A-1-7 3月28日放送のBSテレ東「NIKKEI NEWSプラス9」に思.
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3月28日放送のBSテレ東「NIKKEI NEWSプラス9」に思わず大笑い!!

 

目を白黒させるキャスターに青山が思わず〝大笑い〟

佐々木融氏と長濱利廣氏が出演し、二人は、日本は国内直接投資額がGDP比で北朝鮮以下であることや円の強さがトルコリラ(新興国通貨の中で最弱)よりたった一つだけ上だという円の弱さのことなどを語り、続けて、現在の日本の購買力平価とドル円等の為替相場との間の大きなギャップについて、どのように埋められるのかという本題の話しをします。この二人の話を聞いた「BSテレ東」のテレビの進行役の男性は、その話しの意外な展開に、驚いたように、目を白黒させます。その姿を見て、青山は、思わず〝大笑い〟してしまいました。

佐々木氏と長濱氏が話したこと

長濱氏が、本来なら為替相場と購買力平価とのギャップから日本の経済活動が優位に働くことでギャップが埋められていくはずであるが日本は企業の投資姿勢などからなかなか難しいとの趣旨のことを述べ、それを受けた佐々木氏は、日本における購買力平価と為替相場とのギャップの縮小のしかたについて、インフレによって購買力平価が為替相場にさや寄せするという国民にとって悪夢のような未来の蓋然性を淡々と語ります。

この二人の話を聞いたBSテレ東の男性キャスターは、──彼は、普段は賃金上昇を企業業績を圧迫する要因と捉え、政府が賃上げを推奨すると、今度は「賃金と物価の好循環」が起きると捉えて吹聴する「資本主義の信奉者」ですから──まさか「BSテレ東」の番組でこんな話しが出るとは思わず、目を白黒させてしまったのでしょう。

 

青山は〝大笑い〟などしていて良いのか

これを見た青山は、思わず〝大笑い〟してしまいましたが、これは、笑うべきことなどではありません。

 資本家に雇われている経済の専門家に、これ以上のことを言えと求めてもそれは無理です。そして、残念ながら、昔は元気だった「共産党」は、不破さんが21世紀になって発見した「資本主義発展論」(*1)をよりどころにして、「資本主義の信奉者」と同じように「賃金が上がれば経済は良くなる」などと言って労働者の目を曇らせ、加えて『赤旗』には、マルクス経済学の精神をまったく理解していない反労働者(本人はそのことを理解していないようだが)の「学者」(*2)までが闊歩する始末です。だから、本当は、青山は、悲しくてしょうがないのです。

(*1)詳しくは、ホームページ4-19「☆不破さんは、マルクスが1865年に革命観・資本主義観の大転換をしたという、レーニンも気づかなかった大発見を、21世紀になっておこない、マルクスの経済学をだいなしにしてしまった。」(PDFのP25以降)及びホームページAZ-2-1「『資本論』刊行150年にかこつけてマルクスを否定する不破哲三氏(その1)」(PDFのP9)を、是非、参照して下さい。

(*2)詳しくは、ホームページ6A-1-6「科学的社会主義の党の使命をわすれた『赤旗』」を、是非、お読み下さい。

佐々木氏と長濱氏が話したことの意味

自らの拡大のみを追い求める資本によって、国民が創った富と雇用が海外に持ち出され、「産業の空洞化」が進行し、資本の拡大によって発展する仕組みの資本主義国・日本は危機に陥っている。このままでは、国民にとって大変なことになる。佐々木氏と長濱氏はそう言っているのです。

 言葉と視点を変えれば、日本と日本国民は、今、〝経済は社会のため、国民のためにある〟という新しい社会への途を促され、その入り口に立っているということです。

 

どうすればよいのか(その1)

どうしたら、このようにこれから深刻化するであろう国民生活の危機を克服することができるのか。〝経済は社会のため、国民のためにある〟という新しい社会への途を切り拓くためには、次の二つのことが必要です。

 一つは、現在の「共産党」が不破さんの「資本主義発展論」に基づき「賃金を上げれば経済は発展する」などといって、資本の行動とその結果に目を向けず、闘いを資本主義の枠内に留めて、新しい社会づくりに繫がるたたかい方を放棄している今の姿を改めてもう一度蘇るか、それとも、新しい科学的社会主義の党が生まれるか、ということ。

 そしてもう一つは、労働者階級による社会の地殻変動への胎動です。もちろん、国が国家の新しい生産様式のフレームを定めることは重要ですが、国会での空中戦で世の中が動く分けではありません。新しい社会は、労働者階級を中心とした社会が企業と国家をコントロールして国民を物質的・精神的に豊かにする社会です。だから、労働者階級が企業をコントロールするする中心的な存在としていなければ、このような社会は成り立ちません。労働者階級が社会の地殻変動を起こさなければなりません。このような社会を準備するためには、労働組合は、「賃上げの高さ」を中心に競って目くそが鼻くそを笑うような闘いをしていたのではだめです。国全体での資本の行動をしっかり見て、自らの企業の資本の行動をしっかり見て、自分たちの雇用と生活を守り地域の発展に資すような主権者にふさわしい能力と地位をもった組織──社会の地殻変動を起こすことのできる組織──になることが求められています。今、労働組合は、社会の危機を克服し新しい社会を生みだすために、脱皮が求められています。

 

どうすればよいのか(その2)

これらのことは、大変そうに見えるかもしれませんが、「BSテレ東」の男性キャスターが目を白黒させ、その姿を見て思わず私が〝大笑い〟してしまったようなことが、今の日本のままでは、残念ながら、現実とならざるをえないのですから、そのことを〝大騒ぎ〟して国民に知らせれば、資本に対する国民の見方は必ず変化するはずです。労働者階級を中心とする国民のこの変化こそ最も大切なことです。〝案ずるより産むが易し〟という言葉がありますが、労働者階級を中心とする国民の自覚が高まり、資本主義的生産様式の社会が、マルクスのいう〝結合労働の生産様式〟の社会になることは歴史の必然です。

「共産党」は歴史に乗り遅れるな。「共産党」は〝共産党〟に蘇れ!!

こんなことを言っては元も子もないが

こんなことを言っては元も子もありませんが、青山は、〈今の日本の弱体化した経済と国民生活では、企業が物価を上げてインフレを起こそうとしても、今後2%を超えるインフレが持続するだけの国民の購買力がないので、より深化した形で「失われた30年」が再来する〉と思っています。その場合でも、「どうすればよいのか」で述べたことに変わりはありません。

 以上が、「大笑い」の一部始終です。