5-1 マルクス・エンゲルスとレーニンが共通して訴えていること

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各ページの内容を大づかみに紹介いたしますので、お読み下さい。

・マルクス・エンゲルスとレーニンが共通して訴えていること(その1)

①資本主義的生産様式の改善の意義と限界

マルクス・エンゲルス・レーニンは、資本は労働者に顧慮をはらわないこと、だから社会的障害物をつくらなければならないこと訴えるとともに、現存の制度の諸結果にたいするゲリラ戦だけに専念して、労働者階級の終局的解放をめざしてその組織された力を使わないならば、それは全面的に失敗することを警告しました。

②どのようなたたかいが労働者の社会変革への意識を高めるか

そして、労働者階級の終局的解放の意義を鮮明にしたたたかい方が労働者の社会変革への意識を高めることを明らかにし、「部分的改良」を日和見主義的・改良主義的な社会的弥縫策に狭小化し、支配階級によってつくられた常識に迎合する形でこの闘争を無力化してはならないことを警告しました。

③科学的社会主義の党のたたかい方

だから、科学的社会主義の党は、「革命的闘争の利益にとって無条件に有利で、プロレタリアートの自主性と自覚と戦闘力を無条件にたかめるような改良のスローガン」だけをかかげなければならず、そのためには、現在の資本主義の状況を正しく認識し、その改良の要求が〝新しい生産様式の社会〟でどのように生きるのかをしっかりと理解なければなりません。

④改良主義に対立する革命の見地から系統的に宣伝煽動をおこなわなければならない

そしてレーニンは、改良主義に対立する革命の見地から、改良と革命の差異を説明しながら宣伝煽動全体をおこなわなければならないこと、議会活動や、労働組合、協同組合その他の活動の一歩ごとに、理論的にも実践的にも、系統的にこの対立を大衆に説明しなければならないことを述べ、革命にそなえて党をも大衆をもたゆみなく教育しなければならないということを力説しました。

⑤科学的社会主義の思想から青年や労働者を遠ざける人たち

しかし、残念ながら、日本には、科学的社会主義の思想の権化のような顔をしながら──客観的には──国民を科学的社会主義の思想から遠ざけることに日夜励んでいる人たちがおり、この人たちが科学的社会主義の思想から青年や労働者を遠ざけています。

⑥正義感に燃える青年や労働者が階級意識を高めるのは

労働者党は労働者が資本主義の真の姿を知り、階級意識を高めることを目的に常に活動しなければならず、正義感に燃える青年や労働者は資本主義の真の姿を知り、その先にあるもの(プリウス)を理解したとき、労働者党の真の姿を知り、共通の目標を目指すことになります。

⑦マルクス・エンゲルス・レーニンの意志を継いで、歴史を動かそう

私たちは、マルクス・エンゲルス・レーニンが口を酸っぱくして私たちに教えている〝労働者階級の終局的解放の意義を鮮明にしたたたかい方によって、労働者階級の社会変革への意識が高まる〟ことを肝に銘じ、今ある日本の現実を凝視して資本主義の矛盾を暴露し、新しい生産様式の社会を展望する旗幟鮮明な考えを提示して、それを徹底的に拡めることによって、多くの若者と労働者の心を動かし、科学的社会主義の思想が現実を動かす物質的な力となるよう力を尽くしましょう。

・マルクス・エンゲルスとレーニンが共通して訴えていること(その2)

①資本主義社会から〝新しい生産様式の社会〟への発展は階級闘争によって実現する

マルクスは、物質的生産の一定の発展段階に照応する歴史的な生産諸関係が、社会的、政治的および精神的生活過程一般(全体)を制約すること、そして、社会の物質的生産諸力はその発展のある段階で既存の生産諸関係、所有諸関係と矛盾するようになること、そのとき、これまでの生産諸関係は生産諸力の発展の推進役から一変して桎梏になり、古い生産諸関係からの脱却をめざす階級闘争が社会革命を実現させることを発見しました。

②階級闘争の担い手は労働者階級である

マルクスとエンゲルスは、階級闘争の主役が労働者階級であり、その成果は「労働者のますます広がっていく団結である」ことを明らかにし、レーニンは、マルクスが〝プロレタリアートこそ歴史の推進者である〟という首尾一貫した断固とした献身的な宣伝によって労働者階級を教育したことを述べ、労働者階級の革命的な階級闘争こそが歴史の真の推進力であることを力説しました。

③階級闘争は三つの戦線で戦われる

階級闘争は、政治・経済・イデオロギーの三つの戦線で戦われます。そして、そのすべての戦線で科学的社会主義の思想を徹底できるのは労働者階級だけです。では、どのようにして労働者階級は資本主義社会から社会主義社会への発展の中で科学的社会主義の思想を徹底させるのか。資本主義社会から社会主義社会への発展はどのようにして実現されるのか。その鍵は、それぞれの戦線での民主主義の構築にあります。

④レーニンは、国家と社会を民主的に組織することこそが社会主義社会への途であることを示した

レーニンは二つの大切なことを言っています。一つは、「全勤労大衆の国事参加を民主主義的に組織する」こと、つまり、政治の民主化です。そして、もう一つは、「生産手段にたいする全人民の民主主義的管理を組織する」こと、つまり、経済活動の民主化です。そして、もう一つ大事なのはイデオロギー分野の民主化です。

⑤結び……マルクス・エンゲルス・レーニンの意志を受け継ぐ

私たちは、日本の衰退の真の原因であるグローバル資本による「産業の空洞化」の実態を広く国民に知ってもらい、その克服のためには、資本が労働者を搾取して大きくなることによって社会が発展するという、資本のために経済がある仕組みの社会を搾取を認めない、国民のために経済がある仕組みの社会に変える必要があることを、しっかりと国民に知らせ、国民に理解してもらわなければなりません。

 そして、資本主義から社会主義へと向かう二十一世紀に生きる労働者階級の責務は、①政治の民主化と②経済の民主化と③イデオロギーの民主化を実現する主体として、その社会的役割を果すことです。

・マルクス・エンゲルスとレーニンが共通して訴えていること(その3)

①マルクス・エンゲルス・レーニンの運動の観点

レーニンは、「マルクス主義の全精神、その全体系は、おのおのの命題を、(α)歴史的にのみ、(β)他の諸命題と関連させてのみ、(γ)歴史の具体的経験と結びつけてのみ、考察することを要求してい」ること、そして、「革命家であるということ、社会主義の信奉者であるということ、一般に共産主義者であるということだけでは、不十分である。それぞれの特定の時機に、鎖の特殊な一環を、すなわち全力をあげてそれをつかめば、鎖全体をおさえることができ、しかもつぎの環への移行をしっかりと準備できるような、特殊な一環を見つけだすことができなければならない」ことを力説しています。

②マルクスとエンゲルスは当時の資本主義の最も深刻な現れが〝恐慌〟であることを理解し、〝恐慌〟が社会変革の最も強力な槓杆のひとつであることを明らかにした

マルクスとエンゲルスが生きた時代は、資本主義の勃興期で、当時の資本主義社会の発展段階、資本の蓄積段階からして、資本主義の危機を最も鮮明にあらわすものは、資本主義社会に特有な現象として現れた「恐慌」でした。

 当時は、「恐慌」という危機に際して貨幣価値をまもることが第一に考えられ、危機を一層悪化させる政策がイングランド銀行でとられるなど、この危機に対応したブルジョア経済学など存在していませんでした。

 マルクスとエンゲルスは、当時の資本主義の矛盾の集中点、「鎖の特殊な一環」として〝恐慌〟を捉え、「恐慌が政治的変革の最も強力な槓杆のひとつである」と考えました。

③レーニンは二十世紀前半の資本主義を正しく捉え、正しい方針を世界に示した

レーニンは、二十世紀前半の資本主義を「現代が帝国主義時代であり、いまの戦争が帝国主義戦争である」と、当時の歴史的な状況を正しく認識し、「帝国主義の三つの特殊性」(①独占が自由競争にとってかわったことが、帝国主義の根本的な経済的特徴である②寄生的な、または腐敗しつつある資本主義③死滅しつつある資本主義、社会主義へ移行しつつある資本主義)を明らかにして、〝帝国主義〟の時代からの脱却を訴えました。

★帝国主義が死滅しつつある資本主義、社会主義へ移行しつつある資本主義であるという理由

「帝国主義が死滅しつつある資本主義、社会主義へ移行しつつある資本主義である」という文章だけを切り取って、レーニンの意図を改竄する人がいますので、レーニン自身の説明を紹介します。

「帝国主義が死滅しつつある資本主義、社会主義へ移行しつつある資本主義であるという理由は、明らかである。資本主義から生じる独占は、すでに資本主義の死滅であり、資本主義から社会主義への移行の始まりである。帝国主義による労働の大がかりな社会化(弁護論者のブルジョア経済学者が「絡み合い」と呼んでいるもの)も、やはりこのことを意味する」

④マルクス・エンゲルス・レーニンの意志を受け継ぐ

いわゆる資本主義の「黄金時代」は終わり、1970年代以降、世界の資本は「国民国家」を捨て、国民の創った富と雇用を海外へ持ち出し、自国民の犠牲のうえに国際展開をすることによって一層の資本の高蓄積を図るという新たな資本蓄積の道を歩み始めます。

 日本では、その結果が、1995年頃には、産業の空洞化とそれに伴う国民の貧困化という形で誰の目にも明らかになります。

 私たちは、グローバル資本による「産業の空洞化」こそが現在の日本の経済・社会の危機の主要な原因であり、私たちのたたかいの「環」がそこにあることをしかりと認識し、……是非、このページをご覧いただいて、みんなで話し合って下さい。