3-3

「共産党よ元気をとりもどせ。蘇れ!Communist Party。」

経済が社会のため国民のためにある新しい共同社会〟への必然性と展望を明らかにした科学的社会主義の思想の力強い復活のために、歌を忘れたカナリアは歌詞(目標)とリズム(戦い方)を思い出す努力を!

共産党よ元気をとりもどせ。蘇れ!Communist Party。

このページ群の最新ページの紹介

2024/01/28

 

“科学的社会主義の思想”とは何か

「日本共産党第29回大会決議」を検証する

共産党よ元気をとりもどせ。蘇れ!Communist Party。

このホームページの目的

日本の「失われた30年」よりも長く続く「日本共産党」の衰退は、日本経済の停滞により、国民の福祉国家の夢がやぶれ若者の将来への希望が閉塞感に変わった「失われた30年」と深く関わっており、このホームページは長く続く「日本共産党」の衰退に導いたキーパーソンが誰なのかを明らかにし、そのエセ「思想」からの脱却こそが再生の道であることを明らかにします。

1982年から「党」の委員長になった不破さんは、社会主義社会は労働者階級を中心とする国民のエネルギーによってのみ実現するということと、資本の行動によって資本の「拡大」とともに社会の「矛盾」を生み出す資本主義社会は資本の行動を規制しなければ社会の「矛盾」を解決することはできず、そのような資本の行動の規制は社会主義社会の実現への道に通じているという〝日本共産党綱領〟の核心となる二つの考え・思想を捨て去ってしまいました。

みなさんと一緒に、「日本共産党第29回大会決議」を検証するなかで、不破さんの「資本主義発展論」に基づくニセ「科学的社会主義」の誤りを明らかにし、不破さんとその弟子の志位さんのこれまでの誤った方針の下で、困難に耐えながら、歯を食いしばって頑張ってこられた党員のみなさんが、今、何をなすべきか、をに明確にすることができ、共産党が元気をとりもどして蘇る一助になることを願ってこのページは作成されました。

内容その1…「国際情勢」の誤った見方と国民の今ある不安に向き合わない鈍感力

「大会決議」は、「ウクライナ問題」への誤った見方をしているだけでなく、政府・自民党とマスコミが「尖閣諸島」の問題や「台湾問題」を使って国民に危機を煽り、先制攻撃の同意さえも国民から掠め取ろうとしているとき、政府がとるべき具体的な外交努力についての提案や政府・自民党の軍拡の論拠としての「抑止力」論のペテンの暴露など、国民の〝今ある不安の解消〟に真剣に向き合うことをせず、将来のあるべき東アジアの「外交ビジョン」を語るというピントはずれに熱中し、悦に浸っています。

内容その2…混乱に混乱を重ねる「統一戦線」論

「大会決議」は、「自民党政治を変える統一戦線に結集する」ことをいい、革新懇運動の重要を述べて、その「さらなる成長・発展へ、力をそそごう」と言いますが、革新懇の安保政策は「安保破棄」であり「自民党政治を変える統一戦線」のためには「目標」が混乱しています。しかし、それ以上に混乱しているのが、政党同士の一時的な共闘を「市民と野党の共闘」と偽ったうえで、この政党同士の一時的な共闘を「統一戦線の力で政治を変えるという一貫した方針を、今日の状況のもとで大胆に発展させ」、「統一戦線で政治を変えるという姿勢を貫いたことである」といって、国民的な〝統一戦線〟を放棄していることです。

混乱に混乱を重ねている「自民党政治を変える統一戦線」ですが、当面の弥縫策として、その実現すべき目標──とくに、日米安保のあり方と経済復興のための富(投資)と雇用の国内回帰──について明確にし、「不」鮮明な旗幟を鮮明にして、広く国民に訴えることは、現在の「共産党」にとって重要なことです。

内容その3…科学的社会主義の党の役割無視の「党建設」

「大会決議」は、現在の「党」にとっての「党建設」の必要性や「党」を拡大するために「足を踏み出す」ことや「党員拡大の日常化」等々が述べられていますが、革命の事業に多数者を結集するための〝日本共産党の役割〟(「党」の性格・目的)がまったく理解されていないので、「党」を大きくするための常道を提起することができません。科学的社会主義の党の役割とはなにか、みなさんと一緒に見ていきましょう。

また、現在の「共産党」の「支部」はタコ壺型の閉鎖的な空間となっているため、党員同士の交流による〝集団知〟の獲得ができないという欠点があります。しかし、「大会決議」では、まったく問題になっていません。これは、大問題です。

内容その4…社会主義社会の意味をまったく理解していない現在の「共産党」

「大会決議」は、資本主義からの解放を「利潤第一主義」からの自由に矮小化し、社会主義社会を「生産手段の社会的所有」が実現した社会に矮小化しています。しかし、マルクスが『資本論』で述べている「結合労働の生産様式」の社会とは、〝あらゆる国事への国民の真に全般的な参加〟を実現することにより、生産手段が資本に転化しなくなる社会のことですが、現在の「共産党」にはそのことがまったく理解できません。これは、不破さんが『資本論』のある部分を理解することができなかったことからくる「結合労働の生産様式」についての無知に起因しています。

なお、「大会決議」は、「旧ソ連も、中国も、遅れた状態から」「革命が出発した」から「さまざまな否定的現象がうまれた。」と言いますが、「決議」は「共産党」自らをまったく理解してません。「発達した資本主義の国」ならば「社会変革」がうまくいくのか、失敗の原因をしっかり考えるべきです。

内容その5…現在の「共産党」の思想が、1960年代に確立した〝日本共産党綱領〟の思想と連続しているかのようにいうウソ

「大会決議」は、現在の「共産党」を1960年代の科学的社会主義の思想を受け継ぐ「党」のように描いていますが、志位さんの「日本共産党100年の歴史と綱領を語る」と題した「記念講演」を俎上に、1960年代に確立した〝日本共産党綱領〟の思想と対比してみれば、その違いは一目瞭然です。そして、なによりも許せないのは、21世紀になってから不破さんが『前衛』や『赤旗』紙誌上でおこなった党史の捏造です。

現在の「共産党」の誤りの原因をしっかり捉ることを通じて、科学的社会主義の党として、日本共産党が、ふたたび、元気に蘇ることを期待してやみません。

共産党よ元気をとりもどせ。蘇れ!Communist Party。

Ⅰ、このページ群を設けた理由

このページ群は〝日本共産党〟に本来の輝きを取り戻してもらうためのページ

富の生産の仕方、それに基づく富の分配の仕方が社会のあり方を決め、人々の生活の質を決めます。マルクスとエンゲルスは、生産手段の私的資本主義的性格を克服し、現在の生産と生活の社会的性格に照応した、資本主義的生産様式の弱点と限界を克服した、新しい共同社会への科学的な道すじとその必然性を示しました。そして、マルクスとエンゲルスは、新しい共同社会を実現するための人民による政治制度としての〝パリ・コミューン〟を目撃し、レーニンは〝ソヴェト〟を体験しました。

  日本にも科学的社会主義(マルクス・エンゲルス・レーニンが築き上げた科学的な社会主義思想)をよりどころとすると自認する政党があり、「日本共産党」はその代表格であり、少なからぬ党員はみずからを科学的社会主義の体現者であると自負している。しかし残念ながら、現在の「日本共産党」は、ホームページ3-2「〝新しい社会〟をつくるために〝新しい人〟が生み出される理由」で論究した、〝新しい社会〟を作る〝新しい人〟を育む組織の資質を欠き、科学的社会主義の道を踏み外し、そのために、極めて危機的な状況に陥っています。けれどもそのことを自覚している党員は、けっして、多くはない。私がこのホームページを立ち上げた大きな理由の一つはこの点にあります。

 このような事情を踏まえ、このページは、多くの「共産党」員にこのページを読んで頂き、〝科学的社会主義の思想〟からの逸脱によって、今、存亡の危機に直面している「日本共産党」が〝日本共産党〟として本来の輝きを取り戻し、再び、元気な、科学的社会主義の思想をもった〝党〟に再生していただきたいとの願いをこめ、その一助となることを期待してつくられました。

 なお、個々にページで提示した改善策等は方向性を示したものであり、例示です。ですから、これらをヒントに党員のみなさんは、是非、創意溢れる取り組みをしてください。期待しています。

 それでは、まずはじめに、現在の「日本共産党」を評価するに当たって、科学的社会主義の党かどうかを判断する基準について、確認しておきましょう。

Ⅱ、科学的社会主義の党かどうかを判断する基準について

科学的社会主義の党の認識と資質

私たちは、ホームページ3-2「〝新しい社会〟をつくるために〝新しい人〟が生み出される理由」で、「〝新しい社会〟を作る〝新しい人〟を育む組織の資質」について考え、(1)「〝新しい人〟を育む組織が持つべき認識」と(2)「〝新しい人〟を育む組織が持つべき資質」について、具体的に、明らかにしてきました。

 もう一度、タイトルだけを列挙しますので、詳しくは、ホームページ3-2「〝新しい社会〟をつくるために〝新しい人〟が生み出される理由」を参照して下さい。

(1)〝新しい人〟を育む組織が持つべき認識

 ①現在の社会・経済状況に対する正しい認識

 ②〝新しい社会〟に対する正しい認識

 ③〝新しい社会〟へ行く過程の正しい認識

(2)〝新しい人〟を育む組織が持つべき資質

 ①正しい認識をもてるような認識の方法を持っていること

 ②〝新しい社会〟を担うための主体性が培われ、同時に、新しい生産様式の社会をつくる協働精神にあふれた組織であること

〝新しい社会〟を作る〝新しい人〟を育む組織の資質をもった科学的社会主義の党かどうかを判断する基準は、これらのテーマで論究した具体的な内容に合致しているかどうかです。

Ⅲ、日本共産党が抱える問題の概略について

上記の〈科学的社会主義の党かどうかを判断する基準〉に基づき、現在の「共産党」が「〝新しい人〟を育む組織が持つべき認識」を持っているか、「〝新しい人〟を育む組織が持つべき資質」を持っているかを検証します。

〝新しい人〟を育む組織が持つべき認識の検証

〝新しい人〟を育む組織が持つべき認識の検証

「2004年」に大改訂された「綱領」は、日本の現状分析──日本の経済的発展の基本的方向・性格とその不可避的な結果の認識──において、日本のグローバル資本の行動とその結果としての「産業の空洞化」がもたらす日本国民と日本経済の深刻な危機について、まったくなんの認識も持っていないという、致命的な欠陥があります。そして、このような、現実を踏まえた分析の欠如が、「資本」と「国家」と「国民」の役割と位置づけの変化を見失わせ、不破さんの科学的社会主義の思想とは無縁な「資本主義発展論」にもとづく〝賃金が上がれば、経済は発展する〟という、マルクスの言う「健全で「単純な」(!)常識の騎士たち」の考えが「共産党」を占拠しています。

  21世紀になって、資本主義に屈服し、科学的社会主義の思想とは無縁な「資本主義発展論」に立ち、その結果、「多くの点で、『資本論』の解釈がこれまでのそれとはまったく違って」しまった不破さん(*)が作った「2004年綱領」は、「世界情勢」についても、「民主主義革命と民主連合政府」についても、「社会主義・共産主義の社会をめざして」の「生産手段の社会化」に関しても、正しい認識がまったく出来ていません。

 不破さんが21世紀になって発見した「資本主義発展論」に基づき大改訂された「2004年綱領」・「規約」は、レーニンが綱領をつくるに当たって示した党の任務とその〝こころざし〟がまったく違います。「2004年綱領」は、〝綱領〟から革命の主体、革命の核である労働者階級の歴史的使命が消し去られ、科学的社会主義の党の〝綱領〟から脱落してしまいました。

 〝新しい人〟を育む組織が持つべき認識とは何かを明らかにし、存亡の危機に直面している「日本共産党」が〝日本共産党〟として本来の輝きを取り戻し、再び、元気な、科学的社会主義の思想をもった〝党〟に再生させるために、科学的社会主義の思想から脱落した「2004年綱領」、そして、劣化を深めた「2020年綱領」を含む最近の党大会の決議、そして選挙政策から、現在の「共産党」の誤りを暴露し、共産党が元気をとりもどす途を、以下の各ページを通じて示していきたいと思います。

(*)不破さんが、科学的社会主義の思想とは無縁な「資本主義発展論」に立ち、その結果、「多くの点で、『資本論』の解釈がこれまでのそれとはまったく違って」しまった詳しい経緯の説明は、ホームページ4-19「☆不破さんは、マルクスが1865年に革命観・資本主義観の大転換をしたという、レーニンも気づかなかった大発見を、21世紀になっておこない、マルクスの経済学をだいなしにしてしまった。」を、是非、参照して下さい。

このページは、まずはじめに、マルクス・エンゲルス・レーニンから科学的社会主義の党の〝綱領〟のあり方を学び、不破哲三氏のエセ「科学的社会主義」に基づく「日本共産党」の「2004年綱領」で述べられている「現在の日本社会の特質」、「世界情勢」、「民主主義革命と民主連合政府」、「社会主義・共産主義の社会」についての考えの誤り、そしてその根源にある、「2004年綱領」に欠けている決定的で致命的な欠陥について明らかにしています。

※なお、このページには、ロシア社会民主党綱領の作成過程でのレーニンの貢献の足跡を抜粋したPDFファイルを添付しました。お役に立つと思いますので、是非、お読み下さい。

このページは、まずはじめに、「2004年綱領」に基づく第27回党大会決定(2017年)のポイントとなる、①経済の認識と政策、②新しい生産様式の社会を展望した日本国憲法の法体系のあり方、③社会を変革する主体の問題、④現実を正しく見る方法、について検証します。 続けて、第28回大会に提案された「綱領一部改定案」の「第三章:世界情勢」、「第五章:社会主義・共産主義の社会をめざして」及び「提案報告」の結びを見ることを通じて、相変わらず不破さんの影響下にある「党」の「綱領」が、どのように迷走し続けているのかを科学的社会主義の思想に基づいて示し、その原因を明らかにします。

※なお、このページには、病気のレーニンのスターリンとの闘いを記した「大会への手紙 ─極秘に!─」の抜粋のPDFファイルを添付しましたので、是非、お読み下さい。

このページは、「科学的社会主義の党」を自称する「共産党」の衰退からの脱却を願って、〝科学的社会主義の党の選挙闘争〟のあり方を示しました。このページは、「社会主義」など興味がないと思っている人にも、〝未来社会〟のイメージを湧かせる一助となるものと確信しています。「共産党」を好きな人も嫌いな人も、是非、お読み下さい。

このページは、資本主義を克服するためには何を訴え、新しい生産様式の社会を実現し発展させるためにはどのような運動を組織しなければならないのか、新しい生産様式の社会に繋がる真の〝民主主義〟と〝社会主義〟との不可分性をしっかりと認識して、共産党が科学的社会主義の党たらんとするならば直ちに改めるべき点を含め、〝未来社会〟の助産師である〝革命党〟の革命的な闘い方を提示しています。

このページは、①革命運動における科学的社会主義の党の役割②国政を変えるための運動の組織のありかた③国政を変えるための運動の進め方④共産党が科学的社会主義の党たらんとするならば直ちに改めるべき選挙運動、という順序で、〝未来社会〟の助産師である〝革命党〟の革命的な闘い方を提示し、〝民主主義〟と〝社会主義〟の不可分性をあらためて訴えています。「共産党」を嫌いな人も好きな人も、是非、お読み下さい。

このページは、「産業の空洞化」が深刻な日本が、なぜ、現在のような政治状況を保っていられるのか、財界と自民党に最も耳の痛いことをいうと見られている「日本共産党」の2016年と2019年の参議院選挙の選挙政策を検証することを通じて、その謎を解きます。

このページは、税制のあり方、経済のあり方、「財界中心の政治」の〝ゆがみ〟の糺し方についての科学的社会主義の思想に基づくこのページの検証が、カッコ付きの「共産党」が真の科学的社会主義の党に蘇る力になること願って書かれています。

〝新しい人〟を育む組織が持つべき資質の検証

〝新しい人〟を育む組織が持つべき資質の検証

〝新しい人〟を育む組織が持つべき資質で欠くことのできないのは、①正しい認識をもてるような認識の方法を持っていること、②主体性が培われ、同時に、新しい生産様式の社会をつくる協働精神にあふれた組織であること、の二つです。

①正しい認識をもてるような認識の方法を持っていること

正しい認識をもてるような認識の方法を持っていること

正しい認識をもって、正確な方針を確立するためには、党内で広く闊達な議論のできる場が保証され、様々な意見が民主的に交流し集約されることが必要です。しかし、現在の「共産党」で意見を表明できる場は、基本的に、タコ壺のように閉じられた「支部」という「末端」の組織にしかなく、指導部の誤った認識と異なる考えは『赤旗』等の紙誌には一切掲載されず、紙面は指導部の誤った認識を礼賛する「感想・意見」で埋め尽くされているのが常です。

 2020年9月28日の菅元総理の決裁で日本学術会議の会員の任命を拒否された東京大学社会科学研究所教授(政治学)宇野重規氏は、少数派の意味について、次のように述べていますが、あえて申し上げれば、現在の「共産党」はこの言葉の意味を重く受け止めるべき状況にあるといっても過言ではないでしょう。

「かつて自由主義思想家のジョン=スチュアート・ミルは、言論の自由が重要である理由を以下のように説明しています。

 もし少数派の意見が正しいとすれば、それを抑圧すれば、社会は真理への道を自ら閉ざしたことになります。仮に少数派の意見が間違っているとしても、批判がなければ多数派の意見は教条化し、硬直化してしまいます。」(『赤旗』2020/10/03付け)

 そして、上記のような認識方法に基づいて形成された歪んだ「認識」とそれに基づく実践の方針は、機関の構成と機関を構成する者の選考に当たって党員の声が反映されることなく、あらかじめ現執行部によって内定された専従職員に「世襲」的に引き継がれ、正当化され、継続していきます。

 ホームページ3-3-4「民主主義を貫く党運営と闊達な議論の場の設定を!」は、「共産党」が科学的社会主義の党として甦り、元気を取り戻すことを願って、これらの問題点とその改善策について見ていきます。

このページは、日本の社会・経済の危機が深刻化するなかで、その期待に応えることがなかなかできない現在の「共産党」は、どのように意見の集約をして党の進路を決めているのか、また、どのように党の機関の構成メンバーや党の顔を決めているのか、その組織運営のあり方を一緒に見て、新しい生産様式の社会を築く運動をリードする党の組織運営のあり方はどうあるべきかを、一緒に考えていきます。

②主体性が培われ、同時に、新しい生産様式の社会をつくる協働精神にあふれた組織であること

主体性が培れ、

新しい生産様式の社会をつくる協働精神にあふれた組織であること

科学的社会主義の党は、国民と一番近いところにある〝支部〟が、党を作り、〝支部〟が草の根から民主主義を組織するよりどころでなければなりません。

 科学的社会主義の党の基礎単位である党〝支部〟は、将棋の駒でも鉄砲玉でもありません。科学的社会主義の党を作り、草の根から民主主義を組織するよりどころです。しかし、現在の「党」の指導部は革命についての根本の理解が不足しているため、「党」が「議会」に議席を占めることしか眼中になく、短絡的で性急で安易な運動の提起に終始し、そのために、「党」支部は疲弊しきっています。

 革命は人民が遂行するもので、革命党は人民の革命のお手伝いをする助産師です。だから、国民が資本主義的生産様式の社会の矛盾を理解するために徹底的に資本主義の矛盾を暴露し、みんなで力を合わせてたたかうために常に力を尽くさなければなりません。そうした中で、市民も成長し、立派な共産党員も育ちます。自分の立ち位置を変えれば、見えてくる風景も変わり、いままでのやり方も陳腐に見えてくるはずです。資本主義社会に変わる新しい生産様式の社会は、そうした主体性をもった市民と共産党員との共同作業によって実現します。どんなに逆立ちしても、議会主義的クレチン症に犯されたブルジョア政党に新しい生産様式の社会をつくることなどできません。

 また、革命は人民が遂行するものです。だから、科学的社会主義の党は、より多くの人たちが積極的に政治に参加することのできる環境がつくられるよう努力しなければなりません。しかし、「共産党」の「政党助成金」に関する対応は、新しい政治的潮流の勃興を抑制するとともに、真に必要な選挙制度改革から国民の目をそらせるものとなっています。「共産党」は政党助成金をもらうと政党が堕落すると言いますが、政党助成金をもらって堕落する政党があるならば、それは自業自得であり、そういう政党を私たちは大いに批判し、国民の支持を失わせればよいだけの話しです。〝共産党〟は、絶対に、民主主義の発展にブレーキをかけてはなりません。

 これら3点について、下記の各ページで詳しく見ていきましょう。

このページは、科学的社会主義の党の基礎組織こそが〝党〟の原点であり、新しい生産様式の社会をつくるための草の根から民主主義を組織するよりどころであることを示し、今、どのような活動が求められているのかを明らかにし、「共産党」が現在の「活動」を根本的に改め、革命の助産師として元気を取り戻すことを願って書かれています。

このページは、レーニンの〝党はどこにあるか〈どこになければならないか!〉〟という指摘を導入にして、科学的社会主義の党の基礎組織の持つ3つの役割を明らかにし、これらの前提として、「党」のあり方の認識を根本から改め、①労働者・市民が主役の〝民主〟運動の発展を瞳のように大切にすること②党中央は革命観を改め、伝える活動の意義を再認識することの必要性を訴え、「共産党」が革命の助産師として元気を取り戻すことを願います。

これまでのページで、現在の「共産党」について三つの誤り──①日本の危機のとらえ方と革命的政策②党の認識と運営に於ける民主主義③革命運動のとらえ方と党の関与のしかた──を指摘し、①と②についてはすでに問題点とその改善の方策を見てきました。

このページは、現在の「共産党」が再び元気を取り戻すことを願って、科学的社会主義の党にとって〝革命〟とはどのようなものなのかを確認し、科学的社会主義の党は〝革命〟にどのように貢献しなければならないのかを、選挙のたたかい方を含めて、見ていきます。

このページは、現在の「共産党」の「政党助成金」に関する対応は、「日本共産党の自由と民主主義の宣言」にも「レーニンの出版の自由についての決議案」にも反し、①新しい政治的潮流の勃興を抑制し、②真に必要な選挙制度改革から国民の目をそらせ、③自らの活動の幅を狭めるものとなっていることを明らかにしています。

Ⅴ、日本の労働運動が元気が出ないのはなぜか

3-3-8

〝日本の労働運動が元気が出ないのはなぜか〟

──「レーニン全集の抜粋」〈15-5〉等から学ぶ──

このページは、以下で要約したことを詳しく論及し、どうすれば日本の労働運動が元気になるのかを考えます。

レーニンは『経済学的ロマン主義の特徴づけによせて』で、「ロシアにおけるシスモンディの追隨者たち」が「生産と労働者階級の消費との矛盾」だけしか見ないことを批判しましたが、日本においても「資本主義の矛盾」を「『利潤第一主義』の問題を中心にすえ」ることによって資本主義社会を変革することを棚上げにする〝シスモンディの追隨者〟がいます。日本の労働運動が元気が出ない原因の一つは、資本主義を全面的に暴露して労働者階級の歴史的使命・役割を明らかにする労働者党がないことにあります。このページは、そのことを見ていきます。

第二の原因は、「労働者階級の党」を自負する「党」が、労働者階級と資本との階級対立を脇に置いて、「大企業」対「中小零細企業」という構図から中小零細企業を社会の中心に据えたり、生産性の高い産業抜きでの地域の「内発的発展」を図るという「非科学的」な誤った考えに陥ることによって、労働者・国民がグローバル資本の行動とその結果としての「産業の空洞化と資本装備率の低下」という日本資本主義の最大の問題を見ることを妨げられ、労働者が労働者階級の歴史的使命・役割を自覚し社会変革のエネルギーを発揮することを妨げられていることにあります。このページは、そのことを見ていきます。

そしてこのページは、最後に、〝自覚的民主勢力〟を自負する人は何をしなければならないかを考えます。

3-3-9

不破さんと志位さんの「共産党100年」史

──科学的社会主義の大地に「資本主義発展論」の種を蒔く──

このページは、志位委員長の「日本共産党創立100周年」記念講演の内容を、共産党の文献等に照らし、科学的社会主義の思想との距離を明らかにします。

このページの概要

1、民主主義と社会主義を「水」と「油」のように捉えて、資本主義内でのカッコ付きの「民主主義」の実現に汲々とし、資本主義の矛盾の暴露を放棄する

志位さんは、「独占資本主義──大企業・財界の横暴な支配をただすたたかいが、社会主義の課題でなく、民主主義の課題であることは、今では論じる必要もない」と言って「社会主義の課題」と「民主主義の課題」とを「水」と「油」のように対立させて、「独占資本主義の段階にある日本での反帝反独占の民主主義革命は、客観的には社会主義革命へと移行する基礎をきりひらく役割をはたしうる」(講師資料No1:中央委員会教育局)ことを否定し、選挙演説では「自民党政治を大本から変えるという大目標を背負っている。ただ、今度の選挙でそれを目指すのはちょっと早いですね」と言って資本主義の矛盾の暴露を放棄します。

2、根拠もないのに米国を美化

志位さんは、「アメリカの実際の政策や行動をもとにアメリカをとらえる」と言って、何の根拠も示さず、米国を「まぎれもなく帝国主義である」といいながら「将来、アメリカの侵略的な政策と行動が変化することがありうる」と希望的観測で米国を美化することだけを述べます。

3、階級社会が世界を覆っていることを見ないノー天気な世界観

志位さんは、「一握りの大国から、世界のすべての国ぐにと市民社会に、国際政治の主役が交代した」と現実を見ず、願望で現実を塗り替えます。不破さんと志位の「世界論」には、現在の世界がグローバル資本が支配する階級社会であり、科学的社会主義の党は世界の労働者階級と連帯して世界を変えるという観点が欠落しているます。

4、不破さんの中国共産党とのたたかいをめぐる〝党史〟の改竄を追認するのか?

志位さんは、不破さんの「革命論についてのレーニンの誤解については、1960年代に中国の毛沢東一派との闘争のなかで、レーニンの誤解をただし、多数者革命論にこそマルクスの理論的到達点があることを明らかにしました」という党史の歪曲を受け売りして、レーニンの『国家と革命』を歪曲し、「4・29論文」や「10・10論文」を読んでいない党員を騙そうとします。

5、「分配」をめぐる〝党史〟と〝レーニン〟の改竄

志位さんは、不破さんの『ゴータ綱領批判』の誤った理解の受け売りで、61年綱領は、当時「国際的な『定説』とされていた生産物の分配方法を中心としたもの」に基づいているから誤りだったと言い、その証拠として自分が学生時代から「理想社会の一番の目標」は「おいしいものが腹いっぱい食べられる社会ということか」などと議論していたことを述べて、日本共産党の「61年綱領」をまったく理解していなかったことを暴露します。

6、資本の行動と現実の経済を見ない、資本を免罪し全ての罪を政治になすりつける「新自由主義」暴走論

志位さんは、「2000年代の時期は、経済政策では、新自由主義の暴走がさらに顕著になりました。『構造改革』の名のもとに社会保障費の自然増削減、労働法制の規制緩和が強行されました。」といって、資本の行動とその結果を見ずに資本を免罪し、全ての罪を政治になすりつける「新自由主義」暴走論を展開し、民主主義を不破さんの「ルールある資本主義社会」作りという改良主義のカッコ付きの「民主主義」の中に閉じ込めて、労働者が資本に目を向けて、「産業の空洞化」を回復するためにグローバル資本の行動を「社会的に規制・管理する」ことに目が向くことを妨げます。

7、「60年代の初心」を捨て去り、「資本主義発展論」の種を蒔く不破さんと志位さん

不破さんと志位さんが二十一世紀になって捨て去った〝60年代の初心〟とは、当時の「綱領の総路線」とはどのようなものだったのかを見ることによって、今の「共産党」の問題の所在と、いま私たちが何をすればいいのかを見ていきます。

最後に、もう一度、3-3の各子ページを紹介します。

是非、お読み下さい。

 〈〝新しい人〟を育む組織が持つべき認識の検証のページ〉

3-3-1「2004年綱領」にみる不破哲三氏の転落の証明

3-3-2「2020年綱領」を克服して、共産党よ元気をとりもどせ!!

3-3-3A 科学的社会主義の党の選挙闘争について NEW!!

3-3-3B 科学的社会主義の党の選挙政策

 

〈〝新しい人〟を育む組織が持つべき資質の検証のページ〉

①正しい認識をもてるような認識の方法を持っていること

3-3-4 民主主義を貫く党運営と闊達な議論の場の設定を 

〝新しい社会〟を担うための主体性が培われ、同時に、新しい生産様式の社会をつくる協働精神にあふれた組織であること

3-3-5 党支部は、党を作り、草の根から民主主義を組織するよりどころ

3-3-6 〝前衛党〟は市民革命の助産婦に徹しよう…科学的社会主義の党が輝くとき

3-3-7 民主主義の発展にブレーキをかける「政党助成金」への対応

 

〈日本の労働運動が元気が出ないのはなぜか〉

3-3-8〝日本の労働運動が元気が出ないのはなぜか〟

3-3-9 不破さんと志位さんの『共産党100年』史

  

これらをしっかりと受け止め、共産党は元気をとりもどして下さい。Communist Partyとして、立派に蘇って下さい。