マルクス・エンゲルスについてもっと詳しく知りたい人のために   

『資本論』を中心とするマルクス・エンゲルスの著作の抜粋(その7)

G、資本の歴史的使命

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G、資本の歴史的使命

 

このページの紹介

このページは、マルクス・エンゲルスについてより詳しく知っていただくために、マルクス・エンゲルスの著作の重要な部分を抜粋して「Aマルクス・エンゲルスと資本論」から「J、検討すべき課題ほか」までの10ページに分類した中の「G資本の歴史的使命」のページで、下記の20~21のテーマが扱われています。著作の紹介の仕方は、短いフレーズのものは直接紹介し、若干の長さのあるものはPDFファイルに落とし込み、みなさんの利便性を考慮いたしました。

 

このページのテーマ

20、資本の歴史的任務と資本による資本の止揚

21、「桎梏」について

 各テーマは、『資本論』と久留間鮫造氏編『マルクス経済学レキシコン』を中心に抜粋したものです。出典が「○-[ ]」と表示されているものは、『レキシコン』の「○」号の文書番号「[ ]」に載っていることを示しています。『レキシコン』に載っているテーマについては、何かの機会に全文をデーター化したものを除き、一部をデーター化したり、要旨を述べるにとどめています。お手数ですが、直接『レキシコン』を参照して下さい。ひととおり完成したら、全ての文章のデーター化にチャレンジしたいとおもいます。

 

20、資本の歴史的任務と資本による資本の止揚

社会的労働の生産力の発展は、資本の歴史的任務であり、歴史的存在理由である。

20-1 資本家の歴史的な存在権        ※「競争と競いあい13-4」にも重複掲載。
「資本家は、ただ人格化された資本であるかぎりでのみ、一つの歴史的な価値とあの歴史的な存在権……をもっているのである。……価値増殖の狂信者として、彼は容赦なく人類に生産のための生産を強制し、したがってまた社会的生産諸力の発展を強制し、そしてまた、各個人の十分な自由な発展を根本原理とするより 高い社会形態の唯一の現実に基礎となりうる物質的生産条件の創造を強制する。
(大月版『資本論』② P771B8-772F5 )

20-2 資本の歴史的任務
社会的労働の生産力の発展は、資本の歴史的任務であり、歴史的存在理由である。まさにそれによって資本は無意識のうちにより高度な生産形態の物質的諸条件をつくりだすのである。」(大月版『資本論』Ⅲ ④ P325F2-4)

20-3 資本主義的生産様式の歴史的使命
「この生産様式(資本主義的生産様式──青山)の歴史的使命(ベルーフ)は、人間労働の生産性の発展を容赦なく幾何級数的に(おし──青山)進めて行くということである。」(大月版『資本論』④ P328B2-1 )

20-4 生産諸力の物質的発展と世界市場の形成とを促進すること     注目!!
「信用制度は生産諸力の物質的発展と世界市場の形成とを促進するのであるが、これらのものを新たな生産形態の物質的基礎として或る程度の高さに達するまでつく り上げるということは、資本主義的生産様式の歴史的任務(アオフガーベ)なのである。」(大月版『資本論』Ⅲ P562-3)

20-5 資本そのものによる資本の止揚
  資本は「生産力の発展・欲望の拡大・生産の多様性・自然力及び精神力の利用と交換・をさまたげるいっさいの制限をうちこわす」が、それは、「けっして、資本がその制限を現実に克服したということにはならない」。「この制限は、資本の発展のある一定の段階で資本そのものがこの傾向の最大の制限となることを認識させ、したがってまた資本そのものによる資本の止揚に追いやることになる。」⑧-[190]P33上1~全部(マルクス『経済学批判要項』Ⅱ P335~8)

20-6 グローバル資本は資本主義的生産様式の桎梏になる、収奪者が収奪される  重要!!
独占資本は、それとともに開花しそれのもとで開花したこの生産様式の桎梏になる。生産手段の集中も労働の社会化も、それがその資本主義的な外皮とは調和でき なくなる一点に到達する。そこで外皮は爆破される。資本主義的私有の最後を告げる鐘が鳴る。収奪者が収奪される。」(大月版『資本論』② P995F6-9 )
  小経営は資本主義的私的所有によって駆逐され、諸資本の集中がおこなわれ、独占資本は資本主義的生産様式の桎梏になる。収奪者が収奪される。(大月版『資本論』② P993~996)

 

21、「桎梏」について

独占資本は資本主義的生産様式の桎梏になる。

21-1 マルクスの研究にとっての導きの糸として役だった一般的結論  重要!!
〈ポイント〉「物質的生活の生産様式が、社会的、政治的および精神的生活過程一般を制約する。人間の意識が彼らの存在を規定するのではなく、逆に彼らの社会的存在が彼らの意識を規定するのである。社会の物質的生産諸力は、その発展のある段階で、……既存の生産諸関係と、……所有諸関係と矛盾するようになる。これらの諸関係は、生産諸力の発展諸形態からその桎梏に一変する。そのときから社会革命の時期が始まる。」 ②-[1](経済学批判(序言)) ※「2-1」と同一文章。

21-2 グローバル資本は資本主義的生産様式の桎梏になる        20-6と同一文章。
独占資本は、それとともに開花しそれのもとで開花したこの生産様式の桎梏になる。生産手段の集中も労働の社会化も、それがその資本主義的な外皮とは調和できなくなる一点に到達する。そこで外皮は爆破される。資本主義的私有の最後を告げる鐘が鳴る。収奪者が収奪される。」(大月版『資本論』② P995F6-9 )
  小経営は資本主義的私的所有によって駆逐され、諸資本の集中がおこなわれ、独占資本は資本主義的生産様式の桎梏になる。収奪者が収奪される。(大月版『資本論』ⅠP993~996)

21-3 資本の価値増殖は、生産の内在的な桎梏・制限をなしている
「資本主義的生産の対立的な性格にもとづいて行われる資本の価値増殖は、現実的な自由な発展を或る一定の点までしか許さないのであり、したがって実際には生産の内在的な桎梏・制限をなしているのであって、この桎梏・制限はたえず信用制度によって突破されるのだ、ということである。」(大月『資本論』Ⅲ P562-3) ※「19-24」」の一部。

つまり、不破さんの言う「利潤第一主義」は資本主義的生産の内在的な桎梏・制限をなしているのである。

 

21-4 資本主義的生産の基本的矛盾と資本主義の根本矛盾         重要!!
(大月版『資本論』 ④ P306-7)(レキシコン⑦-[137]P251『剰余価値学説史』Ⅲ)(大月版『資本論』⑤ P1129)(『空想から科学へ』新日本文庫P73) 15-33と同一文章。

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21-4 資本主義的生産の基本的矛盾と資本主義の根本矛盾.pdf
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