☆レーニンの著作の抜粋
E・経済学、帝国主義
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15、〈経済学、帝国主義について〉
16、〈平和、軍国主義、戦争〉
17、〈民族問題、帝国主義戦争と民族解放闘争〉
18、〈日本について、日露戦争、日本と米国〉
☆レーニン全集のなかから、みなさんにお読みいただきたいと思う文章と私が興味をもった文章を、上記のテーマにまとめ、年代順に抜粋いたしました。各項目の紹介文のあとのPDFファイルを、是非、お読み下さい。
15-1
「いわゆる市場問題について」の3っの結論
第一巻「いわゆる市場問題について」P96~103 1893年秋
☆「市場」の概念は、①社会的分業の概念と、まったく不可分のものであり、②「人民大衆の貧困化」は、資本主義の発展をさまたげないばかりでなく、かえってその発展をあらわすものであり、資本主義の条件であり、また資本主義を強化するものであり、③資本主義社会は、蓄積しないでは存在することができない。
現代の日本でも、②を理解できず、いま日本経済が発展しないのは賃金が上がらないからで、賃金を上げれば経済成長ができると思っている「共産党員」が共産党の中枢にいて、グローバル資本がつくった構造的な矛盾から党員と国民の目をそらせている。非常に残念である。
15-2
「市場」についての青山の考え方
第一巻『「人民の友」とはなにか』P214
☆搾取のための価値実現の場である資本主義「市場」が、社会的生産のための流通の接点としての「市場」(いちば)に変わる。
15-3
資本主義社会の生産
第二巻『経済学的ロマン主義の特徴づけによせて』P143~144、1897年三月執筆
☆資本主義の発展は、生産手段の私的所有者が生産手段を増強するための「生産のための生産」によっておこなわれる。
15-4
資本にとって外国市場が必要な理由
第二巻『経済学的ロマン主義の特徴づけによせて』P147
☆資本にとって外国市場が必要な理由は、「一般に生産物が資本主義体制のなかでは(外国市場なしでは)実現(商品が売りさばけること)されえないからではな」く、「 資本主義的生産には、従来のすべての生産様式とは反対に、無制限な拡大への志向が固有なものであるからである。」※「15-7」と合わせてお読み下さい。
15-5 重要!!
①恐慌についての二つの考え、②生産と消費の矛盾について
①第二巻『経済学的ロマン主義の特徴づけによせて』P150~151,154~155 ②第三巻『ロシアにおける資本主義の発展』P33~35、1898年11月半ばに最初の二章が完成
☆恐慌は、資本主義的生産関係の基で、資本主義の固有の現象として起こるのであり、資本主義の歴史的に過渡的な性格を証明するものであり、「資本主義の批判」は、資本主義的生産関係ときりはなされた「全般的な福祉とか、『自由に放任された流通』のまちがいとかいう言葉のうえに基礎づけてはならないのであって、生産関係の進化の性格のうえに基礎づけなければならない」のである。
なお、「共産党」の不破さんは、資本主義的生産の「基本的な矛盾」をエンゲルスの誤った認識として否定し、「賃金を上げれば経済は発展する」とシスモンディと瓜二つの主張をしています。そして不破さんは、恐慌の原因を信用と流通に求めてもいます。
15-6
①過剰人口=労働予備軍について、②流浪労働、③労働予備軍
①第二巻『経済学的ロマン主義の特徴づけによせて』P164~166、②第三巻『ロシアにおける資本主義の発展』P325~327、③第三巻『ロシアにおける資本主義の発展』P576
☆直接、PDFファイルを参照して下さい。
15-7
①資本主義にとっての外国市場の必要性(その1)②資本主義にとっての外国市場の必要性(その2)
①第三巻『ロシアにおける資本主義の発展』P43~45、②第三巻『ロシアにおける資本主義の発展』P626~627
☆「15-4」と合わせてお読み下さい。
15-8
植民地とはなにか?
第三巻『ロシアにおける資本主義の発展』P627
☆直接、PDFファイルを参照して下さい。
15-9 重要!!
工業の発展の三つの段階
第三巻『ロシアにおける資本主義の発展』P574~579
☆工業の最初の二つの発展段階と機械制大工業との違いのなかに、機械制大工業が資本主義的生産様式にとって不可欠なものであることを再認識してください。
15-10 重要!!
①マルクスの表式のもつ意味②マルクスの実現理論とマルクスの理論の科学的価値③理論的な経済学的分析は総じて傾向しかとりあつかうことができない
①第四巻『市場理論の問題への覚え書』P60②第四巻『ふたたび実現理論の問題によせて』P85~87,91③第四巻『農業における資本主義』P122
☆実現のマルクス的理解は、資本主義の歴史的進歩性(生産手段の、したがってまた社会の生産力の発展)を不可避的にみとめることになるが、しかしこのことによって、資本主義の歴史的に経過的な性格をぬりつぶさないばかりか、かえってその性格を明らかにするのである。☆「生産と消費」の矛盾だけに目を奪われる一知半解の「マルクス」主義者は、社会的生産と私的取得(資本の本質)という資本主義の〝基本的な矛盾〟を忘れ、「消費」を増やせば資本主義の矛盾は解消されると思い込んでいる。(一知半解の「マルクス」主義者=ナロードニキ=不破哲三氏)
15-11 重要!!
農業問題:農民の中で何を主張すべきか
第四巻『労働者党と農民』P463~467、1901年2月に執筆
☆小経営と小所有をまもるための、社会の発展を阻止し、彼らの特権的地位を守るような主張・要求は勤労諸階級の分裂をもたらす。しかし、私たちは彼らの民主主義的な要求を彼ら自身のものにするために、私たちの運動(労働運動)を使わないならば、私たちの誤りは致命的なものとなる。ただし、それは産業プロレタリアートに対する働きかけを弱めて小経営や小所有のために勢力をさくことを意味するものではない。それは、彼らと結びつきがあり、そこでしか活動できない人々に活動の指針をあたえ、彼らの中に労働者階級の解放闘争にたいする意識的な支持を呼びおこすためである。
15-12 重要!!
農奴制的経済制度と資本主義的経済制度
第15巻『十九世紀末のロシアにおける農業問題』P66~67、1908年(新暦)7月1日
☆農奴制的経済制度と資本主義的経済制度とのちがいは、第一に、農奴制経済は現物経済であるが、資本主義経済は貨幣経済である。第二に、搾取の道具は、農奴制経済では、働き手を土地に緊縛し、彼らに土地を分与することであるが、資本主義経済では、働き手を土地から解放することである。第三に、土地を分与された農民は、地主に人身的に従属していなければならないが、「理想的な」資本主義は、──所有者とプロレタリアとのあいだの──自由な市場での契約がもっとも完全に自由なことである。
15-13 重要!!
帝国主義の定義
第23巻『帝国主義と社会主義の分裂』P112~114、1916年10月に執筆
☆直接、PDFファイルをしっかり読んで下さい。
15-14 重要!!
レーニンのケインズの引用
第31巻『共産主義インタナショナル第二回大会』P210~217、1920年7月19日~8月7日
☆直接、PDFファイルをしっかり読んで下さい。
15-15
資本主義的発展段階を飛び越えて共産主義へうつる
第31巻『共産主義インタナショナル第二回大会』P237
☆資本主義的発展段階に至っていない植民地と後進国でのたたかい方についてのレーニンの考え。
15-16 重要!!
帝国主義論ノート(その1)
第39巻『帝国主義論ノート』、1915-1916年に執筆
☆内容:テーラー《経営管理》(P121~122)、各帝国主義の位置関係・帝国主義の問題によせて(P166)、社会主義のための闘争・改良と革命、日本対イギリス(P369~371)、日本と連合王国との比較(P467~534)
15-17 重要!!
外国の賃金圧迫者とインタナショナル
第39巻『帝国主義論ノート』、ノート《マルクス主義と帝国主義について》P511-512
☆先進プロレタリアートは後進層と連帯し、その労働条件の改善を支援しなければならない。現代のグローバル経済、移民問題を考える視点として重要です。
15-18 重要!!
各国の植民地領土、各国語、各国の面積 等
第39巻『帝国主義論ノート』
☆内容:各国の植民地領土(P432)、各国の言語を使う人の数(P435)、世界史の重要事件、各国の面積・人口・人種(P650~687)
15-19 重要!
新世界のための競争とイギリスの膨張
第39巻『帝国主義論ノート』、ノート《マルクス主義と帝国主義について》P628-630
☆文学修士J.R.シーリ著の《イギリスの膨張》の新世界のための競争とイギリスの膨張についての抜粋が書かれています。
15-20 重要!!
勝利したプロレタリアートは…エンゲルスの手紙
第39巻『帝国主義論ノート』、ノート《帝国主義》P640-641
☆「勝利したプロレタリアートがどんな種類の幸福であれ他民族におしつけるならかならず自分自身の勝利をくつがえすことになるということである」
16-1 重要!!
軍国主義と反軍国主義的戦術
第15巻『好戦的軍国主義と社会民主党の反軍国主義的戦術』P178~183、1908年7月23日(8月5日)
☆現代の軍国主義は資本主義の結果てある戦争は資本主義の本質そのものに根ざしている。だから、戦争と資本主義との因果関係をわすれて、原因(資本主義)を存続させたまま結果(戦争)とたたかうことはできない。
16-2 重要!!
戦争をどう評価するか
第23巻『マルクス主義の戯画と「帝国主義的経済主義」とについて』P26~27、1916年8月~10月に執筆
☆戦争は政治の継続である。だから、戦争に導く政治、実際に戦争に導いた政治を、研究しなければならない。もし政治が帝国主義的なものであるならば、すなわち、金融資本の利益を擁護し、植民地や他国を略奪し抑圧するものであるならば、この政治から生じる戦争も、帝国主義戦争である。
16-3 重要!!
帝国主義戦争を内乱に転化せよ
第33巻「十月革命四周年によせて」P41~44、1921年10月14日
※本文と4-34.14-33で「十月革命四周年によせて」の全文
☆帝国主義戦争の問題、現在全世界を制覇している金融資本の国際政治の問題──この国際政治が新しい帝国主義戦争を不可避的に生みだし、ひと握りの「先進」強国が立ちおくれた弱小諸民族に加える民族的抑圧、略奪、強奪、絞殺の前代未聞の激化を不可避的に生みだすのである。
16-4 重要!!
戦争の危険とどうたたかうか
第33巻『わがハーグ代表団の任務の問題についての覚え書』P466~470、1922年12月4日
☆おそらく大衆を戦争に引きいれるもっとも主要な手段は、ブルジョア新聞があやつっている詭弁であろう。そして、われわれが戦争にたいして無力なことを説明するもっとも主要な事情は、われわれがこれらの詭弁をまえもって検討しないでいること、それにもまして、われわれは1912年のバーゼル宣言の精神にもとづいて、戦争をゆるさないとか、戦争の罪悪をよく理解しているなどという、やすっぽく高慢で、まったく意味のない空文句でこれらの詭弁をかたづけていることである。
17-1 重要!!
①民族問題に関するレーニンの考え②ロシア社会民主労働党の民族綱領について
①第19巻『シャウミャンあての手紙』P538~541、1913年11月23日(12月6日)②第19巻『ロシア社会民主労働党の民族綱領について』P586~590、1913年12月15(28)日
☆是非、お読み下さい。国連は「自決権」を認めず、それが世界の基準として通用しています。そのため、スペインのカタルーニャの独立の動きが犯罪として世界で通用しています。
17-2 重要!!
「民族文化」一般の階級的性格
第20巻『民族問題についての論評』P8~9、1913年10~12月に執筆
☆おのおのの民族文化のなかには、たとえ未発達のものであるとはいえ、民主主義的文化と社会主義的文化との諸要素がある。なぜなら、おのおのの民族のなかには、勤労被搾取大衆がいて、彼らの生活条件が不可避的に民主主義的イデオロギーと社会主義的イデオロギーを生みだすからである。しかしおのおのの民族のなかには、ブルジョア文化(多くのばあい、それ以外に黒百人組的および教権主義的な文化)もまたある、──しかも、たんに「諸要素」としてではなく、支配的な文化としてある。
17-3 重要!!
民族自決からみた三つの国家型
第22巻『社会主義革命と民族自決権(テーゼ)』P174~175、1916年1~2月に執筆
☆三つの主要な国家型におけるプロレタリアートの任務について述べられています。是非、お読み下さい。
17-4 重要!!
部分は全体に従属する
第22巻『自決にかんする討論の総括』P398~406、1916年7月に執筆
☆青山のコメントを含めて、是非、お読み下さい。
17-5 重要!!
幸福を他民族におしつけるなら
第22巻『自決にかんする討論の総括』P411~413、1916年7月に執筆
☆エンゲルスは、ただ一つ、無条件に国際主義的な原則だけを「確かなもの」としてかかげ、それをすべての「他民族」に──つまり、植民地民族だけでなしに──適用している。すなわち、他民族に幸福をおしつけることは、プロレタリアートの勝利をくつがえすことを意味するであろう、という原則である。だから、大衆の国際主義的教育を行なうに当たっては、この教育は、抑圧民族のあいだでは、被抑圧民族のための分離の自由を説くことなしには不可能である。※「15-20」にエンゲルスの手紙の同一文章があります。
17-6
世界の民族構成(「統計と社会学」からの抜粋)
第23巻『統計と社会学』P302~3、1916~1917年に執筆
☆豆知識として直接PDFファイルを読んで下さい。
17-7 重要!!
帝国主義戦争と民族戦争
第35巻『ゲ・ジノヴィエフヘ』P237~238、1916年8月に執筆
☆典型的なものは唯一のものではない。なぜなら、時代は多様多様な現象の総和であって、そこにはつねに典型的なもの以外に別のものがあるから。 だから、しっかり現実を見て、なにが歴史を前進させる方向に沿うものであるかを見極める能力を身につけなければならない。
17-8 重要!!
プロレタリアートと民族戦争
第35巻『111イネッサ・アルマンドヘ』P262~263、1916年11月30日に執筆、※「1-24-2」と同一文章
☆マルクス主義の全精神、その全体系は、おのおのの命題を、(α)歴史的にのみ、(β)他の諸命題と関連させてのみ、(γ)歴史の具体的経験と結びつけてのみ、考察することを要求しています。
17-9 重要!!
革命を根本的に準備すること─プロレタリアートの多数者の獲得─と植民地における運動の意義
第32巻「共産主義インタナショナル第三回大会」(1921年6月22日~7月12日)の「四 ロシア共産党の戦術にっいての報告 七月五日」P511~514
☆レーニンは、世界革命のきたるべき決定的な戦闘では、始めは民族解放をめざす地球住民の大多数者の運動が、資本主義と帝国主義に鋒先を向け、おそらく、われわれが期待しているよりずっと大きな革命的役割を演じることを述べ、民族解放闘争についての見事なまでの先見性を示している。
17-10 重要!!
民族問題への対応の重要性
第四五巻『ア・ア・ヨッフェヘ』P355-357、1921年9月13日に執筆
☆われわれの世界政策全体にとって、原住民の信頼を獲得すること、三倍も四倍も獲得すること、われわれは帝国主義者ではない、われわれはこの方向への偏向を許してはおかないということを証明することは、非常に必要である。これは世界的な問題である。世界的といっても大げさではない。ここでは、きわめて厳格でなければならない
17-11 重要!!
少数民族の問題または「自治共和国化」の問題によせて
第36巻『少数民族の問題または「自治共和国化」の問題によせて』P715~722、1922年12月30~31日
☆「問題のこの側面を不注意に扱い、「社会民族主義」という非難を不注意に投げつけるグルジア人(ところが、彼自身がほんとうの、真の「社会民族主義者」であるばかりか、粗暴な大ロシア人的デルジモルダなのだ)は、実はプロレタリア的階級連帯の利益をそこなうものである。」是非、お読み下さい。
18-1 重要!!
日・露戦争に係るレーニンの見方①「専制とプロレタリアート」から②「旅順の陥落」から③バルト艦隊の「壊滅」について
①第八巻『専制とプロレタリアート』P10-11、1905年1月4日(1904年12月23日)②第八巻『旅順の陥落』P38~41、1905年1月14(1)日③第八巻『壊滅』P486~487、1905年6月9日(5月27日)
☆「17-8」の「マルクス主義の全精神、その全体系は、おのおのの命題を、(α)歴史的にのみ、(β)他の諸命題と関連させてのみ、(γ)歴史の具体的経験と結びつけてのみ、考察することを要求しています。」という言葉を思い起こしてお読み下さい。
18-2
アメリカの「未来の対日戦争の準備」
第24巻『戦争と革命』P444、1917年5月14日(27日)の講演
☆資本は自らの利益のために「崇高な理想」をかかげることを忘れるな。
18-3
日本軍部隊のヴラヂヴォストック上陸について
第44巻P48~49、①五九シベリア・ソヴェト中央執行委員会への電報1918年4月5日に執筆、②六〇シベリア・ソヴェト中央執行委員会へ1918年4月6日に執筆
☆直接、PDFファイルを読んで下さい。
18-4
日本のソヴェト攻撃の可能性
第27巻『全ロシア中央執行委員会とモスクワ・ソヴェトの合同会議』P374~375、この新聞報告は、1918年5月15、16日の『プラウダ』に発表された。
☆「18-2」と「18-5」と合わせてお読み下さい。
18-5 重要!!
将来の日米戦争は避けられない
第31巻『ロシア共産党(ボ)モスクワ組織の活動分子の会合での演説』P449~450、1920年12月6日
☆当時の資本主義世界の三つの基本的な対立、◯日本とアメリカとの矛盾◯アメリカと、残りの資本主義世界全体との矛盾◯協商国とドイツとのあいだの矛盾。レーニンの慧眼には、感服する。