☆レーニンの著作の抜粋(その2)
このページのPDFファイルはこちら
A・科学的社会主義(その2)〈2 マルクス主義者とその生き方、3 哲学、宗教〉
☆レーニン全集のなかから、みなさんにお読みいただきたいと思う文章と私が興味をもった文章を、上記のテーマにまとめ、年代順に抜粋いたしました。各項目の紹介文のあとのPDFファイルをお読み下さい。
2-1
ロシアのマルクス主義者の闘争の目的:労働者階級の階級的自覚を発達させること
第一巻「人民の友」とはなにか P190~191
☆社会民主主義者はその全注意と全希望を労働者階級に向ければならないこと、その綱領は労働者階級の階級的自覚の発達ということを目的として、その全活動をこの階級をたすけて、資本主義制度にたいするその廃絶のための政治闘争にたちあがらせること、この闘争に全労働者階級を引きいれること、そのことがマルクス主義者の闘争の目的である。
2-2
共産主義者は社会民主主義者と名のらなければならない
第一巻「人民の友」とはなにか P307~308
☆一般的に言って、ロシアの共産主義者、マルクス主義の信奉者は、他のだれにもまして、社会民主主義者と名のらなければならず、その活動において、民主主義の巨大な重要性を、けっしてわすれてはならない。
2-3
社会主義的インテリゲンツィアの使命
第一巻「人民の友」とはなにか P314~318
☆社会主義的インテリゲンツィアの使命は、支配階級のイデオロギーによって隠蔽されている敵対を暴露し、わが国の現実(階級対立の現実、階級対立の結果についての)についての完璧な絵図を描き、実践活動が可能なときには、その理論的な活動の成果を宣伝・煽動するという実践活動を優先して行わなければならない。そのことなしに、共産主義革命はなしえない。
2-4
労働者の組織化のための社会民主主義者の活動
第一巻「人民の友」とはなにか P334~335
☆「資本主義がありながら労働運動がないとすれば、それは資本主主義がその使命を遂行していないからであって、労働者のあいだでのこのような組織化と宣伝のためのわれわれの活動がまだ微弱であるからではない、と。」いう思想に蝕まれている人たちは古今東西どこにでもいる。私たちも「資本主義の進歩的作用がわが国にも[発現」するために」「全精力をかたむけて自分の仕事に取りかからなければならない。」日本の「歴史と現実とにたいするマルクス主義的見解をもっと詳細に仕あげ、」「あらゆる形態の階級闘争と搾取を、もっと具体的に考究しなければならない。」そして、「この理論を平易なものにし、労働者のなかへもちこみ、労働者をたすけてこの理論をわがものにさせ、」労働者を社会変革の主体としての政治勢力として結集させなければならない。
2-5
勤労階級の思想的代表者たちが行うべきこと
第一巻『ナロードニキ主義の経済学的内容』P420
☆勤労階級の思想的代表者たちが行うべきことは、現時点における激烈な階級闘争の明確な『合言葉』を労働者階級に提示することであり、その努力の成果を測る尺度は“どれだけ多くの労働者にこの思想を普及させることが出来たか”である。そのためには、経済闘争、「狭い」小さな実生活上の諸問題と労働者階級の解放の課題とが密接不可分なこと、「融合」した闘争課題であることを示し、労働者の階級的自覚を高めることである。
2-6
マルクス主義者の資本主義の批判の方法
第一巻『ナロードニキ主義の経済学的内容』P478
☆唯物史観に基づく批判。要約:「マルクス主義者は、搾取現象を特定の生産関係の体系として、特殊な経済的社会構成体として説明し、資本主義社会において形成される諸階級を、あらゆる細密さをもって追求することが必要だと考え、一定の階級の見地からする批判だけを、すなわち「個人」の道徳的判断にではなく、現実に生起しつつある社会的過程の正確な定式化にもとづいている批判だけを、根拠あるものと考える。」
2-7
社会民主主義者の実践活動──2つの任務
第二巻『ロシア社会民主主義者の任務』P323~342(1897年末に流刑地で執筆)
☆社会民主党(共産党)には科学的社会主義思想をひろめる任務と民主主義思想をひろ める任務がある。科学的社会主義思想をひろめるためには産業プロレタリアートのあいだでの活動に自 分の勢力を集中して、学び、宣伝し、組織しなければならない。経済的煽動と政治的煽動とは、社会民主主義者の活動のなかでは、一つのメダルの両面のように切っても切れないようにむすびつけられており、プロレタリアートの階級的自覚の発達のためには同じように必要である。どちらの煽動も、労働者を組織し、訓練し、教育することによって、自分の経済状態を改善し、労働者の権利を拡大する可能性をあたえる。民主主義思想をひろめることと科学的社会主義思想をひろめることとは切りはなすことができず、平行して行われるが、両者には大きな違いもある。社会民主主義者は社会を進歩させる一つ一つの問題に、その目標を達成するためにあらゆる勢力と同盟をむすぶ用意があるし、それを表明しなければならない。しかし、社会民主主義者は、他の勢力と同盟する場合でも、労働者を他から区別して、労働者階級の歴史的役割を常に明らかにして、労働者の自覚を高めるように闘わなければならない。なぜならば、労働者がその歴史的使命をしっかりと自覚してこそ大きな力を発揮することができ、労働者だけが最後まで民主主義を徹底することができるからである。だから、学び、宣伝し、組織する仕事にとりかかろう。
2-8
労働運動における社会民主主義者の任務
第四巻『わわれれの当面の任務』P232(1899年の後半に執筆)
☆社会民主主義者は「社会主義と労働運動との結合」体になろう! 学び、宣伝し、組織しよう!
2-9
組織のしかたⅠ(ヴェ・ア・ノスコフヘ1902年8月4日)
第34巻「 ロンドンからチューリヒあて」P113~117
☆受任者を任命し、彼らを監督し、彼らに責任を負い、実際に統合し、指導するためには、いたるところにおり、飛びまわり、実地に、仕事の現場ですべての人を見まもらなければならない。このためには、実践的組織者と指導者の集団が必要だ。とにかく、自らが、自らの問題として、自らの指導部をつくることが重要である。
2-10
ほんとうの社会民主主義者とは、社会民主主義者がのぞんでいること
第六巻 貧農に訴える P440、P444(1903年3月執筆)
☆ほんとうの社会民主主義者は、もっとも考えぶかい、信頼できる、勇敢な同志たちを、自分のまわりにあつめるために、人々に、たゆみなく、自分の学説をおしえ、社会民主主義の本を読ませ、社会民主主義の学説を、本によるだけでなく、われわれのまわりに見られる抑圧と不正の一つ一つの実例、一つ一つの場合について、説明しなければならない。
2-11
革命的学生の任務
第七巻『革命的青年の任務』P35(1903年9月に新聞『ストゥデント』第23号に発表)
☆私たちが闘ううえで大切な点は、私たちの信念をひろめ、イデオロギー攻撃に打ち勝つこと、当面の課題について、意義を明確にし、運動を拡大し、より断固たるものにしようと努力することである。
2-12
運動の進め方、組織のしかたⅡ
第八巻 ア・ア・ボグダーノフとエス・イ・グセフヘの手紙 P135~140(1905年11月11日)
☆「われわれの唯一の力」である「公然たる率直さと結束、急襲のエネルギー」がないこと、フペリョード派を強化し、広く結集する努力をしないで「新イスクラ派」との妥協の道をさぐり、決められた道の実践をせず、「計画の作成」や「変更」を考えている国内の同志に苦情を言っている。
2-13
党員と呼ばれるに値しない人
第八巻『際限のない逃げ口上』P218~219(1905年2月~末3月初めに執筆)
☆党員は党執行部にただ従うだけの党員であってはならない。そのような人は、政治的に自由な市民と呼ばれるに値いしない人であり、党員と呼ばれるに値いしない人である。
2-14
それをしないことには、社会民主主義者は……
第八巻『政治と教育学との混同にっいて』P454~457(1905年6月に執筆)
☆わが国には、労働者が資本家または政府との個々の小戦闘で敗北するたびに、それに影響されて悲観主義に陥り、大衆にたいするわれわれの影響の程度が不十分であることを言いたてて、労働運動の最高の偉大な目標にかんするあらゆる会話を軽蔑したようにおしのける社会民主主義者がすくなくない。われわれにそんなことができるものか! われわれにはそんな力はない! このような人々は、こう言っている。……続きはPDFファイルで。
2-15
困難についてのマルクス主義者の捉え方
第19巻『ヴェ・ザスーリッチはどのようにして解党主義をほうむるか』P422(『プロスヴェシチェーニエ』第9号、1913年9月)
☆自由主義者は、自分が困難な活動を放棄していることをかくそうとして、困難な活動を不可能だと称する。活動が困難であるばあい、マルクス主義者は、その困難を克服するために、すぐれた分子をいっそう固く結束させるようつとめないわけにはいかないのである。
2-16
帝国主義戦争と社会主義者
第41巻『キーンタールにおける第二回国際社会主義者会議』P463~474 (1916年2月末~3月に執筆:手稿によって印刷)
☆ここ数十年間に異常に急速に発展したばかりでなく、──これがとくに重要な点だが──異常に不均等にも発展した資本主義諸国家のあいだの新しい力関係に応じて、世界を分割しなおすことが問題なのである。資本主義的社会関係を基盤としては、世界のこの新たな再分割は、戦争と暴力による以外にはありえない。客観的事態は、成熟した諸矛盾の改良主義的解決を排除しており、一連の帝国主義戦争あるいはプロレタリアートの社会主義革命以外のいっさいの打開の道を排除している。
2-17
ボリシェヴィキのたたかい方
第41巻『ペトログラード組織の集会における報告』P550~551(1917年5月8(21)日)
☆われわれボリシェヴィキは、われわれの見解を労働者と農民に辛抱づよく、だが執拗に説明してやらなければならない。われわれ各人は、われわれの活動についてのこれまでの考え方を忘れなければならない。扇動者や宣伝者やものを知っている同志がやってきて、なにもかも説明してくれるのを待つというのではなく、各人がこの全部を兼ねる、つまり、扇動者にも、宣伝者にも、わが党の建設者にもならなければならない。
2-18
革命的社会民主主義者の活動の重点
第41巻『現在の情勢にかんする報告』P561:1917年6月20日(7月3日)
☆われわれ革命的社会民主主義者は、民主主義的大衆の階級的自覚をはっきりさせることに活動をふりむけなければならない。だからわれわれは、小ブルジョア民主主義派のこれらのかつての指導者を容赦なく暴露し、革命的プロレタリアートが先頭きって進もうとするただ一つの道を民主主義派に示してやらなければならない。
2-19
革命前の共産主義者の任務と革命後の共産主義者の任務
第31巻『青年同盟の任務』P287 (1920年10月2日)
☆われわれの任務は、ブルジョアジーをたおすことである。現在の主要な任務は、ブルジョアジーを批判し、大衆のあいだにブルジョアジーにたいする憎悪を呼びさまし、階級意識を発達させ、味方の勢力を結集する能力をもつことである。そして、同時に、政治・経済・思想の三つの戦線での民主主義(労働者階級のヘゲモニー)のあり方について、〝経済は資本のためにあるのではなく国民のためにある〟という社会に接近するために国民と共に模索しなければならない。
2-20
共産主義者とはなにか
第31巻『青年同盟の任務』P292~295(1920年10月2日)
☆その学習、教育、陶冶の一歩一歩を、古い搾取社会にたいするプロレタリアと勤労者とのたえまない闘争に結びつけてこそ、彼らははじめて共産主義をまなぶことができる。
コムニストというのはラテン語である。コムニスとは共同という意味である。共産主義社会というのは、すべてのものが共同であり、労働も共同であるという意味である。これが共産主義の意味である。……
2-21
共産主義者にとって絶望することは
第35巻『エム・ソコロフへ』P540~541:1921年5月16日に執筆(18-18-2と同一文)
☆共産主義者にとって、絶望することは、笑うべきことであるか、さもなければ恥ずべきことだ。われわれにとって必要なことは、根気づよく、じけないことだ。「官僚主義」という「腫瘍」を生み出さないためには、「官僚主義」を許さない組織のあり方、民主主義をつくり出すことです。どうしたら、「官僚主義」という「腫瘍」を生み出さないように出来るのか、考えて下さい。
3-1
土台と上部構造
第38巻『ゲ・ヴェ・プレハーノフ.《マルクス主義の根本問題》』P373~374:書きこみの短評(はやくとも1908年5月に執筆)
☆いまでは有名な《土台》とそれにおとらず有名な《上部構造》との関係についてのマルクス-エンゲルスの見解を簡明に言いあらわそうとすれば,つぎのようなものがえられるであろう.
3-2
不可知論者 ・弁証法的唯物論・相対的真理と絶対的真理
第14巻『唯物論と経験批判論』(1908年後半に執筆)
☆物質の概念は、認識論的には、人間の意識から独立して存在し、そして人間の意識によって模写される客観的実在以外のなにものをも意味しない。
弁証法的唯物論は、物質の構造とその性質にかんするあらゆる科学的命題の近似的・相対的性格を主張し、自然には絶対的な境界がないこと、運動する物質が一つの状態から、われわれの観点から見ると外見上それと和解しがたい他の状態に転化すること、などを主張する。
☆発展していく相対的真理の総和から絶対的真理が形成される。相対的真理は人類から独立した客観の相対的に正しい映像であること、これらの映像はますます正しくなっていくこと、おのおのの科学的真理のうちには、その相対性にもかかわらず、絶対的真理の要素かあること、これが私たちの認識論である。
3-3
宗教にたいする労働者党の態度について
第15巻『宗教にたいする労働者党の態度について』P392~400: (1909年5月13(26)日)
☆宗教は民衆の阿片である――このマルクスの格言は、宗教の問題におけるマルクス主義の世界観全体のかなめ石である。マルクス主義は、現代のすべての宗教と教会、ありとあらゆる宗教団体は、労働者階級の搾取を擁護し、彼らを麻酔させる役をする、ブルジョア反動の機関であると、つねに考えている。
しかし、それと同時にエンゲルスは、社会民主党よりも「いっそう左翼的に」、または「いっそう革命的」になろうとのぞんだ人々が、労働者党の綱領のなかに、宗教にたいする宣戦布告という意味での無神論のあからさまな承認をもちこもうとしたことを、たびたび非難した。
3-4
ヘーゲルの著書《論理学》の摘要・第3編:理念・第3章:〝絶対理念〟
第38巻P190~191、P200、P214、P216~217、P219、P239、P251(1914年9—12月及び1915年に執筆)
3-5
弁証法の問題について
第36巻『弁証法の問題について』P419~422、P325~329の8行目、P329の9行目から(1915年に執筆)
☆「運動には山もあれば谷もあり、今は谷の時期だからじっと耐えなければならない」という俗物的な考え方と、レーニンのように、敵の攻撃を作用とみて、人民の反作用のエネルギーを確信し、起きていることに適時に反応して煽動することを基本とする態度とでは、雲泥の差がある。
3-6
マルクス主義の全精神は…典型的なものは…マルクス主義の考察のしかた
第35巻『ゲ・ジノヴィエフヘ』 P237~238(1916年8月に執筆)『111イネッサ・アルマンドヘ』P262~263(1916年11月30日に執筆)
☆「典型的なものは唯一のものではない。」「なぜなら、時代は多様多様な現象の総和であって、そこにはつねに典型的なもの以外に別のものがあるから。」
3-7
哲学者Ⅰ
イオニア学徒の哲学 アナクシマンドロス(紀元前610-547年)第38巻P216
ピュタゴラスおよびピュタゴラス学徒 第38巻P216~217
ソフィストたちの哲学 第38巻P239
ヘラクレイトス(ほぼ紀元前530~470年) 第38巻P594 人名索引
ソクラテス(紀元前470~399年)
デモクリトス(アブデラの)(紀元前460~370年ごろ)
プラトン(紀元前427~347年) 第14巻P467人名訳注
ガッサンディ、ピエール(1592~1655年) 第38巻P579人名索引
スピノザ、バルフ(ベネディクト)(1632~1677年) 同P584人名索引
デカルト、ルネ(1596~1690年)
アイザック・ニュートン(1643~1727年)
バークレ、ジョージ(1684~1753年) 第38巻P589人名索引
ヒューム、デイヴィッド(1711~1776年) 同P590人名索引
ドルバック、ポール・アンリ(1723~1789年) 同P588人名索引
カント、イマヌエル(1724~1804年) 同P580人名索引
ヘーゲル、ゲオルグ・ヴィルヘルム・フリートリヒ(1770~1831年) 同P593人名索引
フォイエルバッハ、ルートヴィヒ・アンドレアス(1804~1872年) 同P591人名索引